全国過労死を考える家族の会

全国過労死を考える家族の会ニュース 第80号

6月施行「パワハラ防止法」、精神障害・過労死・過労自死をなくす施策を!

1. 毎年、厚生労働省が発表する過労死等に係る労災請求件数の推移をみれば過去10年以上増加しており、平成30年度の脳・心臓疾患は877件、精神障害の労災請求件数は1820件という高水準で増加の一途を辿っています。過労死家族の会へ寄せられる事案についても顕著に表れています。そうした背景には、長時間過重労働、サービス残業、達成困難なノルマ、厳しい叱責、嫌がらせ、脅し、暴力、自爆営業、昼夜休日問わず業務連絡など、パワハラが原因と思われる劣悪な働かせ方が蔓延しており、パワハラ、セクハラ、マタハラ、モラハラなど様々なハラスメントで立場の弱い労働者は悩み苦しんだ挙句、精神障害を発症し、休職、退職を余儀なくされ、さらに過労死・過労自死へ追い込まれ、尊い命が奪われる悲劇が繰り返されているのが現状です。

2. 昨年5月、改正労働施策総合推進法(通称・パワハラ防止法、罰則規定は見送られた。)が成立し6月に施行されます。(中小企業は2020年4月施行)定義は、職務上の地位や人間関係など職場内の優位性を背景に業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為とし①優越的な関係を背景とした言動。②業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動。③労働者の就業環境が害される。この3つの要素をすべてみたすものになっており客観的にみて、とても狭いものになっています。また、パワハラに該当する代表的な6つの類型として、(1)身体的な攻撃(2)精神的な攻撃(3)人間関係からの切り離し(4)過大な要求(5)過少な要求(6)個の侵害、について、パワハラに該当する例、該当しない例が示されています。この6つの類型は、1月30日第2回「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」の参考資料で示されました。(次のページをご参照ください。)「該当しない」欄をみるとパワハラした側へ「業務の指導」という言い訳を授けているようで違和感を覚えます。今後は労災認定基準の見直しにどういう影響を与えるのか注視が求められます。

3. 昨年6月、ILO第190条約「仕事の世界における暴力とハラスメントの撤廃に関する条約」(通称・暴力とハラスメント禁止条約)が成立しました。この条約は仕事の過程において、暴力とハラスメントに適用するものです。(駐日事務所で仮訳の一部引用)勿論、日本は批准していませんが「Karoshi」を国際語にした日本は少しでも国際基準に近づける努力をし、過労死、過労自死、パワハラ被害をなくすために、条約に批准し実効性ある施策を講じるべきです。

日本のパワハラ防止法は、限定的で不十分ながら初めての法制化によりパワハラの定義、事業主の措置義務、相談者等の保護、労働者へ周知・啓発など明示しました。職場にパワハラ防止の取り組みを根付かせ、パワハラ被害で苦しむ人が救済され、職場の精神障害・過労死・過労自死をなくす施策の構築へ発展するよう強く求めます。

(寺西 笑子)

全国過労死を考える家族の会世話人会 報告

日 時:2020年1月18日(土)10:30~12:30
場 所:明治大学研究棟2階 第9会議室
出席者:玉木一成弁護士、松丸正弁護士、黒田謙一先生(過労死防止学会会長)、
事務局:寺西、各地世話人13名、オブザーバー1名、計18名参加
(欠席:長野、名古屋、京都、山陰)
進 行:寺西代表

今回、特出すべきこととして、スイス国営放送取材クルーが入りました。最初から終了まで世話人の討議ぶりを録画され、寺西代長がインタビューに応えました。日本国内では見られませんが、後に映像が送られて来る予定です。当家族会はいよいよグローバル化、海外メディアも注目です。

これまでの活動と今後の主な予定を確認しました。5月31日に過労死防止学会、7月11日~12日に1泊交流学習会と過労死防止センター総会が行われます。例年より前倒しです。

弁護士の玉木先生から、情勢の講話がありました。「①申請件数は増えているが認定は減っている。②認定の基準に<移動時間、待機時間>などが労働時間として認められない。③厳格な時間となり刑事罰が科せられ、その結果、認定が厳しくなっている。④これら認定へのハードル高くなっているので、ますます大きな強い連帯をもって打破していきたい。⑤20年ぶりの基準の改訂に向けて、80~100時間ではなくて、これを65時間からに、2020年が正念場と捉える。今年も意義ある年に、前進ある年にしていきましょう。」

続いて各協議議題に入りました。主なものを報告します。

①全国家族会のパンフレットは、好評得て第二刷りになりました。今後は有料化して、各支部に頒布して行く。②国政選挙が予想されるが、家族会の団体名は出さないようにする。③2021年で結成30周年を迎える何か行うか。・11月6日~7日、統一要請行動を予定。④過労死防止シンポの会場では署名活動等行わないように確認。

弁護士の松丸先生から、「①教員の労働時間は医師より超過している、自主的にやっていると判断されて、時間管理がなされていない。②県や市の職員はIDカードなどでわかるが自分の仕事とされてしまう。③大企業では例えば『スカイシー・クライアントビュー』で時間と内容までしっかり把握している、しかしその情報を企業は出そうとしない、法に触れないようにぎりぎりの線で働かせているのではないか。④今後ますます、適正な労働管理、勤怠管理が重要となっていることを周知させていくことが肝要となろう。」とありました。

この後、各地の報告が行われ、奮闘と前進の成果があり、互いに労をねぎらいました。

次回の世話人会は、9月5日(土)、東京駿河台法律事務所にて開催、ここで「東京」を外すと違う事務所になってしまうことに注意、また、4月1日のニュース発行のために3月15日までの入稿を厳守すること、各地の労災防止への取り組みなど世話人専用のフリーメールで共有することなど確認しあって、世話人会を閉じました。

(書記・深澤佳人)

各地の報告

北海道過労死を考える家族の会 報告

北海道家族の会は2月9日(日)午後第8回総会を行いました。

例年は総会時に会員対象での学習会を行っておりましたが、初めて過労死防止対策北海道センターと協力し島田弁護士・安彦弁護士2名の講師により【労災制度と「認定基準」を考える】のテーマで家族の会員及び一般の方の参加にて公開学習会が開催され学びを深めました。総会は雪の季節ということもあり遠方からの参加者は少なかったのですが18名の参加で世話人選任や2020年度の活動計画などの議案採択が行われました。長きにわたり家族会の運営や会員に寄り添い発展にご尽力してきた北海道世話人代表の菊地悦子さんはご本人の諸事情により、まだまだ続けてほしいと会場からの要望も強かったのですが代表を辞されて村山が交代しました。今年度の活動方針「被災者に寄り添い、会員相互の親睦を深め過労死防止に各機関と連携、協力する」ことを確認し総会を終えました。懇親会は14名の参加で久しぶりに近況報告などをしながらの楽しいひと時を過ごしました。

北海道家族の会はこれからも全国の皆様と手を取り合い過労死がゼロになるように活動していきますのでよろしくお願い申し上げます。

(村山 百合子)

宮城過労死を考える家族の会結成総会 報告

昨年「宮城過労死を考える家族の会」が発足しました4月に「結成記念講演会」、11月宮城と福島の両県でシンポジウムを開催させていただきました。発足して間もないものでしたから、宮城と福島の両県の弁護士会および、医師会等にシンポジウムの協力要請と、あいさつ回りをいたしました。おかげさまで、予想以上の参加をいただき、成功裏に終了することが出来ました。また、その効果として、宮城のシンポジウムでは、会場に参加されていた被災者が、相談に来られて、その方の過労死問題を取り上げ、さっそく、弁護士の紹介、打合せと、過労死問題の解決の糸口を見出すために、前に進めていくことが出来ました。その被災者は、今までもやもやしていた道が開きましたと喜んでいただきました。これも、皆様方からのご協力と、お力添えによるものと感謝いたしております。

過労死をなくすためには、過労死遺族の訴えが不可欠ですので、「宮城過労死を考える家族の会」は、これからも歩みを止めることなく過労死のない社会をめざして、努力していきたいと思います。

(児玉 政昭)

東京過労死を考える家族会 報告

令和2年2月9日、江東区総合区民センターで第3回交流会を行いました。参加者は大人13名、子供3名でした。お茶を飲みながら気楽な雰囲気で、お一人ずつ現在の心境をお話し頂きました。参加者の皆様のお話を通して、ご家族を亡くされた方は月日が経っても癒えない悲しみを抱え続けているということ、また、現在係争中の方々は理不尽な職場からの対応に心身共に傷つき苦しみながらも、家族の無念を晴らす為、又は被災者本人自らの社会復帰を目指す為に日々奮闘していることを目の当たりにしました。交流会の後半には、今後の活動に協力をお願いする場面で、「出来る事をサポートします」といった心強い声も上がり、改めて交流会の存在意義を感じました。私自身、22年前に2人の子供と母子家庭となった当時の自分自身と似た境遇の参加者の方のお話を聞いて、同じ辛さを分かち合い、影ながら見守っていきたいと思いました。「家族の会」は、このように多くの方々が気持ちを共有し、心の支えとなり、助け合い、共に生きていくための大切な存在であると感じています。今後も交流会の活動を通じて、少しでも心の重荷が軽くなっていただければ、担当者一同とても嬉しく思います。

(細渕 房子)

神奈川過労死を考える家族の会 報告

今年初の交流会を1月19日に新横浜にて行いました。
今回は3組の新たな会員さんが交流会に初参加されましたので、総勢18名と大人数となりました。

この頃思う事は、やはり若い方の死亡事案が増えているという事です。特に神奈川には沢山の企業がある為、地方から神奈川で働いた末、過労死、過労自死に至ってしまった事案が増えている事も神奈川の特色であると思います。また大変お辛い中、頑張ってお越しいただいた方もいらっしゃり、私も交流会を行う意義を改めて深く受け止めました。途中からは自然に事案ごとに分科会の様に話をすることが出来、より深く話をすることが出来たと思います。神奈川の会が出来てもうすぐ4年目を迎えます。少ない人数で始まった会でしたが、こんなに多くの新たな方が入会されたことをやはり重く考えなければなりません。「生きることを楽しめる仕事」が出来る世の中になります様、まだまだ歩みを止められないと強く思っております。

(工藤 祥子)

長野過労死を考える家族の会 報告

全国で、新型コロナウイルス感染拡大が心配されております。長野でも、4月4日(土)に長野家族の会総会を予定しておりましたが、コロナ感染が心配されますので、急遽延期と致しました。今後の予定は未定です。

現在係争中の「小池労災損害賠償請求裁判」について報告致します。息子雄志は2015年3月21日に過重労働と上司のパワハラにより31歳で自死しました。この3月でもう5年になります。裁判は長野地裁伊那支部から松本支部に回付され既に6回目の裁判を終えたところです。被告会社からの資料はほぼ出そろい、工期の後半になって大幅な増工事があり納期が迫る中26日で仕上げなければならない所に上司からのパワハラが加わり、うつ状態になっていった経過が再確認できました。次回裁判は、5月20日の予定です。今後もご支援お願い致します。

近隣でも、昨年4月に建設会社に勤務していた38歳の男性が過労自死し、今年2月28日に労災申請しました。微力ながら支援しているところです。

(小池 宣子)

山梨過労死を考える家族の会 報告

山梨の家族会は、働くもののいのちと健康を守る山梨県センターさんのご支援を受けて、支援する裁判の傍聴、署名集め、また昨年11月には「関東甲信越地区一泊学習交流集会」山梨の笛吹市(石和温泉)開催に参加させていただきました。全体会にて、過労死がより多くなってしまいそうな、労働基準法が適用されないような状況や勤労者の安全衛生を無視するようなビジネスモデルを紹介され、驚きとともに怒りを感じました。分科会では第2の裁判闘争とその取り組みに参加させていただき、山梨の活動を紹介させていただいたり、より一層の連帯感を持つことができたりして、有意義でした。私たちの活動は、自らの闘争勝利のみならず、社会に対して、労働安全のあり方を訴えているという有用感を持つこともできました。

今後も全国の仲間と連帯してともにがんばりたいと思います。皆様、今後ともよろしくお願いいたします。

(深澤 佳人)

名古屋過労死を考える家族の会 報告

名古屋は2月9日(日)に総会を開催しました。数年前より参加してくださる会員の数が減り、今年は今までの中でも一番参加の少ない総会になってしまいました。そんな中でしたが、猿田正機中京大学名誉教授が今の過労死・過労自死の現状についてお話をして下さりその後、係争中の会員6名のうち参加者3名の方から裁判の進行状況報告をしてもらいました。昨年裁判官の交代で裁判にも少し進展があり、2名の方が証人尋問を控えていました。どの事件も良い結果が出てくれることを願うばかりです。そんな中、今回新しく会員になられた方がいらっしゃいます。ご子息を亡くされたご両親です。過重労働と上司のパワハラが原因で自死されてしまいました。パワハラがいけないことだという認識が少しずつ広がり、国も重たい腰を上げ、ようやく今年の6月「パワハラ防止法」が施行される事になっているにも関わらず、愛知ではこのご家族の他にもパワハラによる事件が起きています。人が人を死に追いやってしまうような行為が未だに横行している事はとても悲しいことです。この法律が少しでも命を守る法律であって欲しいと思います。

(伊佐間 佳子)

京都労災被災者家族の会 報告

第37回総会開催
2月7日(日)、総会を職対連事務所にて開催しました。二組の闘う当事者と支援者の参加がありました。家族の会の活動や労災・過労死事案を報告してもらいました。交流では判決を3日後に控えた井上さんが、支援する会が150人いて、バスで裁判所に行くようになって、気持ちの上では楽になった。しかし、いつまでもつらいと話されました。息子さんを亡くされたAさんは、2年かって昨年10月に労災申請し、ほっとされた様子でした。不安なことは、みんなで助言しました。

福井地裁で勝訴
井上さんの息子さん(享年42歳)の行政裁判において、2月12日、福井地裁の勝利判決が確定しました。判決では適応障害の発症、直前の1、2か月の時間外労働時間が100時間超、パワハラなどが認められました。全国各地や地元の支援する会に助けられて、勝利することができました。みなさまのご支援ほんとうにありがとうございました。

(中嶌 清美)

大阪過労死を考える家族の会 報告

忘年会を行いました
12月14日(土)例会を行い、引き続き忘年会を行いました。

例会参加者16名、忘年会参加者は15名でした。弁護士さんは、松丸先生、岩城先生、夏の一泊学習交流会初参加の京都の高橋先生がご参加くださいました。例会には、大切なご家族が突然お亡くなりになり悲嘆にくれる中、涙をこらえ3名の方が初参加されました。仕事が原因であることを遺族自身が証明する困難さに悩みながらも手掛かりを求めてたいへんな努力をされています。その後の忘年会は、久々の会員・支援者も参加し、それぞれ各々の事例を語り合い、また昨年一年間の会員の頑張りを話し、交流を深めました。中でも、参加者のKさんから、お兄さまの労災が認定されたお話は嬉しい報告でした。大阪の会員では、他1名が最近労災認定されたとうかがっています。

現在、労災認定の厳しい情勢が続いている中、大阪家族の会にも申請、審査請求、再審査請求、行政裁判を闘っている会員が多くおられるのが現状です。民事裁判の場で原因究明と責任追及を求めている方もおられます。長い闘いにおよび、心身の健康を損なうことのないよう一日も早い最善の解決を望みます。

(小池 江利)

兵庫過労死を考える家族の会 報告

自死から6年
結婚1年を迎える2014年11月初旬、息子が出勤していないと職場から電話があり、神戸の自宅を訪ねると冷たくなった息子と対面することとなりました。異動して半年後27歳のことでした。息子は24歳で県職員として採用され、2年後の人事異動で県の出先機関である児童相談所で勤務していました。大学で専攻した分野外の業務内容でしたが、大変に張り切って勤務していました。大きな課題のある家庭環境の中で生きる児童生徒や保護者を相手とするケースを扱う業務でした。ショッキングな現実を見聞しストレスも抱えての勤務をしていました。

死後、職場では内部調査が行われましたが、所長の報告では職場内では特に問題はなかったということでした。その後に職場の同僚数名が見え、上司のパワーハラスメントを同僚として止めることができず我々も同罪であると謝罪をうけました。超過勤務は多くはありませんでしたが、ストレスが強い業務に加え上司のパワーハラスメントを受けて鬱病を発生し、自死したのだと確信しました。そこで、労災認定を申請しましたが認定されず、2019年8月、県を被告とする民事訴訟を起こした次第です。どうか皆様の支援をいただき、少しでも裁判が良い方向へ向かうようにしたいと願っています。ご協力をよろしくお願い申し上げます。

2月7日、兵庫では、家族の会が設立された当時の弁護士さんや私たち新しい会員を交え大勢で交流会が行われ心強く思っています。

(兵庫家族の会 会員)

東四国過労死を考える家族の会 報告

東四国 寳田裁判結審の日 支援者の声「光をありがとう」

私は、昨年新婦人の班会で寳田さんと出会い、ブラックな労働実態の中で深く傷ついた寳田さんの心に触れました。その痛みの波動が、かつて私の受けたパワハラや疲弊の記憶を呼び覚まし、我身を振り返る機会を頂きました。封印していたはずの心の傷が、何十年経った今も尚癒えていないことに驚き、今更ながら、自分の不甲斐なさに気づかされたのです。自身に起こったことをうやむやにせず、正々堂々と司法の場で闘い続ける道を選んだ寳田さんに、私は、自分に足りなかった「強さと覚悟」を教えられました。

それから、寳田さんの痛みを我身の痛みのように感じ、この裁判の行方を見守り、支援をしてきました。支援の会が発足し、支援の輪が段々と大きくなり、結審の今日も、この会場に大勢の支援の方々が集まってくださっているのを見るにつけ、本当にありがたいことだと感謝の念が込上げてきます。心の傷は、一人で抱え込んでいても癒えないけれど、人との関わりの中でともに思いを分かち合うことで癒しが生まれ、前向きに進んでいく力にもなるのだと学びました。

これまでよく頑張ってこられましたね、寳田さん。ありがとう、あなたの闘いはもう、あなた一人のものじゃない、痛みを分かち合う私たち皆の光です。岩城先生から「過労死、パワハラ、精神疾患の問題…社会が変化していく方向にある。」ことをお聞きし、私はワクワクしています。私たちが抱えてきた心の傷は、これから光に変わっていくと思うと。

(大島 照代)

四国過労死を考える家族の会 報告

2019年の総括
・4月より愛媛いの健に参画させていただき、11月シンポの打ち合わせに参加

高橋さんとのコラボが行えた
・啓発授業については、地元松山大学にて前後期の2回の開催

高知大学において1回の開催
・わかちあいの会については、代表の多忙により残念ながら未開催

2020年について
・基本活動は、啓発授業です。地元愛媛大学(6月)と隣県の高知大学(9月に2日間)より依頼が来ております。地元松山大学については、例年、授業を行って頂きました小田巻先生が転任されることになり、開催が危ぶまれる状況です。
・11月シンポについては、例年通り大学の授業の一環としての開催が濃厚
・6月いの健中四国大会が愛媛にて開催 参画
・わかちあいの会の再開 2月に1回を目標とする。
尚、活動にコロナウイルスの影響がないことを祈るばかりです。

(久保 直純)

福岡過労死を考える家族の会 報告

2019年10月に北九州市にある西南女学院大学において啓発授業を2コマ、約400名の学生に行いました。私は遺族として体験談と思いを学生に届けました。私の夫がいかに過重な働き方をしていたのかという実態、教員の働く環境の問題点など、私の経験、働くことの意味やルール、困ったときにはどうしたらよいかなどを伝えました。これから社会に出る学生がこのような過労死の実態やワークルールについて知ることは、いまアルバイトで働いている職場や、将来働く職場でトラブルがあったときに、対応する力が出来ること、自分だけでなく周りの仲間、家族をも救える力となることを丁寧に話しました。私の話に涙ぐむ学生もいました。私はこの授業が初めての啓発授業でしたが、学生たちに届いた感覚を持ちました。そして若い世代が自ら命を絶つことなどないよう今後も訴え続けたいと思いました。福岡、九州においてはまだまだ啓発授業の実績が少ないので、その普及、浸透が大きな課題です。

福岡家族の会では、2020年2月に福岡過労死を考える家族の会ホームページを開設しました。悩みと孤独感を抱えている遺族や本人が私たちと繋がることでその苦しみから少しでも解放されることが願いです。https://zinnia-q.com/

(安德 晴美)

東九州過労死を考える家族の会 報告

東九州家族会は、大分・宮崎を中心に長崎、熊本、東京にもご遺族がおられます。地理的にも、全員が一堂に会することは難しく、遺族間の交流をどうするかが、課題となっています。MLを通しての情報発信や、個別に聞き取りをしながら現状を把握するように努めてはいますが充分とは言えず、申し訳ない気持ちで一杯です。

今年は、宮崎での交流会はもちろんですが、大分での交流会がまだ一度もできていないので、大分での開催を実現したいと思います。また、全国の行事(一泊学習交流会や遺児交流会、防止学会などでの講演会や各地でのシンポジウム等)にお誘いしてご一緒できる機会を増やし、少人数でも交流が持てるように努めたいと思っています。最近の出来事では、福井の井上充子さんのご子息の過労自死裁判が勝訴し、判決が確定したことをMLでお知らせしました。井上さんは、私の裁判を支援して下さり、家族会にも入会して、活動を応援して下さっていました。

私も息子を亡くして12年が経ちましたが、我が子を亡くした喪失感が薄れることはなく、悲しみを共有できる遺族としてこれからもご遺族に寄り添い続けたいと思います。

(桐木弘子)

過労死防止学会第6回大会 ご案内

《新型コロナウィルスの影響により、5月30~31日に予定していた第6回大会は開催延
期になりました。》

本年5月30日(土)~31日(日)に以下の要領で第6回大会を開催します。

日程:2020年5月30日(土)・31日(日)
場所: 愛知県中京大学名古屋キャンパス
名古屋市昭和区八事本町101-2
アクセス 地下鉄八事駅すぐ https://www.chukyo-u.ac.jp/information/access/

大会テーマ:過労死等防止法制定から6年
―― 果たして過労死•過労自殺は減少したのか ――

過労死等防止対策推進法施行後6年目にあたり、この6年間に実を結んだものは何か、望まれるものは何かを検討します。特に、近年の増加傾向にある若年者の過労自殺、不十分なハラスメント防止法の問題点に焦点をあてます。

今回の大会では、これまでの経験を生かし、また過重労働や過労問題が多方面で多様な形で問題となっていることを重視し、十分な議論を保障するため、分科会を二日間に分けて設定します。

●お問い合わせ:過労死防止学会事務局 info@jskr.net

(3月23日の情報)
≪一日目の日程・5月30日(土)≫
●10:00~12:30 分科会(自由論題、テーマ別)
第1分科会:自由論題
第2分科会:トヨタの過労死・労災問題
第3分科会:外国人労働者の健康問題
第4分科会:コンビニ問題
特別分科会1:人を大切にする企業経営

●13:30~16:30 特別シンポジウム
座長:黒田 兼一、松丸 正
「過労死等防止法制定から丸6年、果たして過労死・過労自殺は減少したのか」
①「国際労働基準にみる日本の過労死過労自殺(自死)の問題と課題」(仮題)
佐々木 昭三(いのちと健康全国センター、社会医学研究センター)
②「電通事件とその後」(仮題)
川人 博(川人博法律事務所 過労死弁護団)
③「若者たちの自殺予防について」(仮題)
粥川 裕平(かゆかわクリニック院長)

●16:40~17:30 会員総会
●18:00~20:00 懇親会

≪二日目の日程・5月31日(日)≫
●9:30~12:00 分科会(自由論題、テーマ別)
第5分科会:自由論題
第6分科会:医療分野「勤務医の労働条件と過労死•過労自殺」
第7分科会:教育分野「教員の労働条件と過労死•過労自殺」
第8分科会:運輸・交通分野「旅客機業務従事者の過重労働、過労死」
特別分科会2:過労死防止啓発授業事例報告

●13:00~16:00 共通論題
座長:岩城 穣、粥川 裕平
「過労死等防止法制定から丸6年、ハラスメント自殺事例とその対策」
➀ 「ハラスメントによる自殺事例の裁判闘争」(仮題)
水野 幹男弁護士(水野幹男法律事務所)
② 「ハラスメントによる精神障害」(仮題)
天笠 崇(過労死や過労自殺)精神科医)
③ 「ハラスメントで愛する人を失った遺族の思い」(仮題)
伊佐間 佳子(過労死遺族の会)
④ 「ハラスメント防止法成立の経緯と今後の課題」(仮題)
内藤 忍(労働政策研究・研修機構)

(以上)

全国家族の会の活動報告

【主な活動報告】

1月 6日  連合2020新年交歓会:ホテル ラングウッド
1月15日  全国過労死を考える家族の会ニュース第79号発行:全国家族の会事務局
1月18日1.全国家族の会世話人会・事務局会議:明治大学研究棟2階 第9会議室
1月18日2.過労死防止全国センター幹事会  :   同会場
1月18日3.過労死防止学会東京幹事会    :   同会場

【主な活動予定】

4月 1日  全国過労死を考える家族の会ニュース第80号発行:全国家族の会事務局
4月 4日  全国過労死弁護団拡大幹事会
5月30日・31日 過労死防止学会:(愛知県)中京大学・名古屋キャンパス
7月11日・12日 夏の一泊学習交流会:(京都)聖護院「御殿莊」
7月12日(午後)過労死防止全国センター総会:(京都)メルパルク京都
9月 5日 全国家族の会世話人会:東京駿河台法律事務所
9月25日 過労死弁護団全国連絡会議総会:埼玉県

【編集後記】

私の父が亡くなってから20年になります。当時,(大島)電通事件の判決が大きく取り上げられ,自死でも勝訴することを知り労災申請しましたが、認定されず行政裁判しました。パワハラや職場での人間関係・過重労働も主張しましたが認められず、地裁・高裁とも敗訴しました。納得できず、民事訴訟で会社を訴えました。判決文には、パワハラという言葉はありませんでしたが,「上司との人間関係が悪ければ,それだけで部下は自殺することがある。」として,会社側の責任を認めさせることができました。父が亡くなってから解決まで、13年4カ月という長い時間が掛かりました。

今も父と同じようなパワハラ被害は増えています。過労自死を防ぐためにも事の重要性を訴え、パラハラ防止法を活かした職場環境の改善に取り組むべきと考えます。

(中上裕章)

カンパのお願い

家族の会は皆様のカンパを主な活動原資として活動しています。
カンパのご協力をよろしくお願いします。

ゆうちょ銀行 店名 〇五八(ゼロゴハチ) 店番 058
預金種目 普通預金 口座番号 3713219
口座名義 全国家族の会(ゼンコク カゾクノカイ)

 


【発 行】全国過労死を考える家族の会(2020.4.1発行)
【事務局】東京駿河台法律事務所内 TEL. 03-3234-9143
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町二丁目3番1号 岩波書店アネックス7F