全国過労死を考える家族の会

全国過労死を考える家族の会ニュース 第82号

過労死のない社会をめざし
心ひとつに繋がりあって 一歩前進へ

1.昨年は、コロナ禍の影響で日常生活が一変し、誰もがこれまで経験したことのない一年でした。当会の世話人会をはじめ関係団体の会議や集会など、啓発授業においてもオンライン開催が増えましたが、幸いにも11月過労死等防止啓発月間の各地シンポジウムは、感染対策を取りながら47都道府県48会場すべて開催でき、恒例の全国家族の会統一行動も皆様の熱意とご協力のお陰で万全の感染対策を取りつつ、要請行動、街頭宣伝行動、中央シンポ、総会など対面にて開催することができました。(次ページにて各報告)

2.第33回目の厚生労働省要請および地公災基金本部要請は、例年どおり「過労死等防止について考える議員連盟」から国会議員の参加をいただき、過労死弁護団と全国家族の会の団体要請書を提出し、個別事案の早期の認定を求めて要請しました。特筆すべきことは、パワハラによる若年層の過労自死事案が圧倒的に多く、続いて精神疾患の事案、過労死事案(脳・心臓疾患)でした。いずれも過労被災者の多くは職場の権力者のもとで過重労働になっても断れない状態に追い込まれる背景が浮き彫りになっているものです。

家族が過労死すれば遺族はどのような困難に直面するのか理不尽さを訴え、国として適正な評価による労災認定と職場改善の指導および過労死防止策を強くもとめて要請しました。

3.令和元年度の労災申請数は、脳・心臓疾患は936人の高推移、精神疾患は年々増え続け、この10年間で2倍の2060人といういずれも過去最多になっています。しかし労災認定されるのは三割台で厳しい状態になっており、現在の働き方の変化や労働実態に対応していない時代遅れの認定基準といえます。

そうした状況下、2018年5月に過労死弁護団は認定基準の改正案を厚生労働省へ要請され、現在、厚労省の検討会において労災認定基準の見直し作業がおこなわれています。この機会に実効ある内容にするため、働くものの命と健康を守る全国センターでは「脳・心臓疾患及び精神障害の認定基準改定にあたっての請願署名」に取り組みました。世論の声を届けるために、ぜひ皆様の署名協力をお願いいたします。

4.今年は、過労死防止法が成立して6年経ち大綱の2回目の見直しが行われます。協議会委員として励みますが、ご意見・要望があれば早めに当会HP(http://karoshi-kazoku.net)へご連絡ください。

上記を踏まえ課題山積の正念場のなか、全国家族の会は11月結成30年を迎えます。節目の年にこれまで以上の強い気持ちで、過労死のない社会をめざし、心ひとつに繋がりあって、一歩前進できることを心から願っています。

(全国家族会代表 寺西笑子)

2020年度全国過労死を考える家族の会総会 報告

日時:2020年11月12日(木)午前9時30分~午後12時30分。場所:平和と労働センター全労連会館。(マスク、消毒、ソーシャルディスタンスを保ち、アクリル板で個々を区切り、コロナ対策はしっかりおこなった。)参加者19名。

コロナ禍で各地世話人の参加が困難となり、主に首都圏中心の参加者となりました。(以下敬称略)第一部の総会は、進行および議長は深澤、書記は安徳が選出され、寺西の挨拶で始まりました。議事の活動報告全般は寺西、会計報告(久保作成)は寺西代読でおこない、各世話人代表・事務局などすべての議案は拍手で採択承認されました。

代表挨拶(要約):全国家族の会結成30周年を迎えるが過労死は増え続けており認定率は下がっている。2年前過労死弁護団から労災認定基準の改正を求める意見書が出され厚労省は認定基準の検討会を重ねている。いの健全国センターが『過労死等の労災認定基準の実効ある改善を』学習資料を作成し署名に取り組んだ。適正な救済のために認定基準の改正が必要、署名協力をお願いしたい。(厚労省要請および地公災基金本部要請は本文以下にて報告)

2020年度各世話人【代表世話人】寺西笑子(京都)、【各地の代表】北海道:村山百合子、宮城:芳賀 直(代行)、山梨:深澤佳人、長野:小池宣子 、東京:渡辺しのぶ、神奈川:工藤祥子、静岡:尾崎正典 名古屋:伊佐間佳子、京都:中嶌清美、大阪:西岡佳恵(代行)、兵庫:西垣迪世、岡山:中上裕章、山陰:高木栄子、四国:久保直純、東四国:大島照代、福岡:安徳晴美、東九州:桐木弘子

【事務局】寺西笑子:活動全般、久保直純:会計業務、大島照代:会計監査、小池宜子:厚生労働省要請担当、工藤祥子:地方公務員災害補償基金本部要請担当、中上裕章:全国ニュース編集など、遺児交流会:渡辺しのぶ(委員・三輪香織)

第二部の交流会進行は村山。参加者全員が自己紹介し、解決者より「長い間の争いでくじけそうな時も幾度もあったが家族会の支援があったからこそこの日まで頑張れた。」と胸の熱くなる報告がありました。ご子息をパワハラ自死で亡くし係争中のご遺族から「どんな些細な情報でも良いから証言が欲しい。」と悲痛な訴えがあり、パワハラの労災認定にはとても高い壁があることを話されました。それぞれが深い悲しみを持ちながらも閉会後は笑顔で再会を約束する風景がありました。

(福岡家族会 安徳晴美)

要請行動報告

厚生労働省への要請報告

11月11日午前10時30分から厚生労働省16階会議室にて、第33回目の要請を行いました。

厚労省から労働基準局総務課課長はじめ12名が出席し、要請者側から過労死等について考える議員連盟の山井和則衆議院議員、過労死弁護団事務局長の玉木一成弁護士、家族の会から20名参加しました。

今年度はコロナ感染の影響で各地域の参加者は例年の半数でしたが、19名(要請者7名、文書要請者12名)が要請しました。冒頭に玉木弁護士からご挨拶があり、寺西代表から要請者の一日も早い労災認定の救済を訴え、要請書を手渡した後、駆けつけてくださった山井衆議院議員は「本日、要請される人は7名ですが、この陰には数百人の労災申請者があり、さらに数万人の過労被災者がいる。この方たちの一日も早い救済をお願いします。真実は家族や当事者の声の中にある。」と訴えて下さいました。

個別要請は、玉木弁護士の進行で訴えの問題点をご指摘いただきました。以下へ報告します。

Mさん:業務の指示とハラスメントの見極め、複数出来事「中」の評価、経験を積んでいない新人労働者の過重性についての評価を。

Iさん:医師のストレスについて質的過重性が低く評価されている。

Aさん:システムエンジニアの過労死はとても多い。納期の関係で長時間負荷の重い業務になる。

Hさん:顧客からのクレーム(ハラスメント)が増えている現状を踏まえ厚労省の対応を要望。

Sさん:障がい者枠で採用されても健常者の労災認定基準が当てはめられている判断の妥当性を考慮。

Nさん:働き方改革関連法案で上限を超えた労働時間に罰則規定がついてから労働時間の認定が厳しくなっている。労災認定のための調査を現場に指導。

Sさん:精神疾患の発症後は特別な出来事がないと認定されない、認定基準の見直。

Tさん:海外勤務は時間管理されていない、海外勤務者の時間管理。

Nさん:過労死予防に関して行政からの不利益を企業に課していかないと過労死は無くならない、罰則規定を過労死予防の対策として検討。

Oさん:複数事業者で働いた場合の法律ができたが成立前の事案は補償されない、救済の対応を。

Yさん:症状固定につい慎重に判定して欲しい。

Tさん:海外勤務で労災保険に特別加入していないことを了解している人はほとんどいない特別加入を義務付ける改善を。

上記の要請に対し厚労省労働基準局総務課課長から

「要請書を受け取りこの場で直接切実な話を伺わせていただいた。命につながる問題や健康を害してしまう問題はとても辛く大きな痛みを伴うことを改めて実感した。過労死等防止対策推進法が制定され過労死等防止対策推進協議会と共に大綱を作成し、これに基づいて過労死ゼロにむけて他の省庁と連携して取り組みを進めている。しかし、過労死は減らず深刻な問題である。行政の最重要課題として対策をしっかり講じていきたい。過労死はあってはならないことであり理解を深めてもらう対策が必要である。そのために各都道府県でシンポジウムを行い、監督署では監督指導を行っている。白書は国会に報告し、国会では白書の概要を説明している。これも周知の一環である。今回の個別要請を頂いたことについては、関係する部署と共有して対応していきたい。」

最後に寺西代表から、対応へのお礼と要請者の早期の認定を求め「認定にあたって実態に則った適正な評価を行って頂きたい。家族の会は過労死弁護団が提起する適正な認定基準の改定を求めている」と要請しました。

(東京家族会 渡辺しのぶ)

地方公務員災害補償基金本部要請行動

コロナ禍で状況も難しく人数も制限される中、基金本部要請行動には、松丸 弁護士、平本弁護士、家族の会から4名、泉健太衆議院議委員(議員連盟代表代行)の計7名で基金本部にお伺いしました。

基金本部からは補償課、総務課、企画課兼総務課兼メンタルヘルス対策サポート推進課より3名ご参加のもと要請者6人(代読3名・要請書提出のみ1名)で訴えを致しました。

今回は公務災害申請をして3〜4年経つのにまだ最初の支部処分庁段階の結果すら来ることなく大変お辛いなか採決を待つお二人の方の訴えがあり、本来なら精神事案は8ヶ月の目標が何故こんなにも時間がかかるのかと疑問をお話しました。

遺族が何の知らせもなく結果を何年も待たなくてはならない精神的負担は耐えられるものではありません。全体的に遅い進行をもっと早く進めて頂きたいと思います。また認定基準に関しても、基金側は厚労省の動きを注視しているとの繰り返しでしたが、基金独自の事案を精査、検討して基準作りを行ってほしいとの要望も出しました。

また、基金独自、または自治体独自かもしれませんが、被災状況を分かりやすく絵に書いて提出するようにと言われた方がお二人いらして、脳疾患被災のお一人は4コマ方式で、もうお一方は自死被災のご遺族が絵で示し提出されたとのことで現物を拝見して驚きました。ただでさえ辛い大切な人の死の情景を絵で示すのは遺族にとっては傷を更に深めトラウマにもなりかねません。このような書類の提出についても廃止するべき検討をお願い致しました。

全体的には基金の皆様にも真摯に対応して頂いたと感謝しております。過労死等を無くしたいという思いは同じですので、今後とも一緒に防止策を進めて行けるよう要請しました。

(神奈川家族会 工藤祥子)

シンポジウム報告

過労死等防止対策推進シンポジウム 東京中央会場報告

A会場報告

11月11日(水)午後2時~5時、イイノホールにて、北里大学医学部公衆衛生学の堤 明純先生の「労働者のストレスとその健康影響」の講演を聴かせていただきました。

専門的な内容にも思いましたが、資料が分かり易く勉強になりました。新卒看護師の息子が職場の環境に適応できずパワハラと思われる事件で精神障害発症により自死し現在係争中のことから、資料の中の「職場のメンタルヘルス対策の中でのストレスチェックの位置づけ」について特に興味を持って聴きました。職場のメンタルヘルス対策に一次予防~三次予防迄あるのですが、一次予防として・従業員教育・管理監督者教育・職場環境改善教育・とありました。ストレスチェックの位置づけとして、主目的:一次予防。労働者のメンタルヘルス不調の未然防止:ストレスの気づきと対処の支援・職場環境改善とあります。

自死した息子の職場(病院)でもストレスチェックは行われていたようですが対策が不十分な為パワハラ自死が連鎖しているのだと思いました。職場の管理者の考え方で自死は防げるように対策は立てられている時代にメンタルヘルスの不調により健康を害したり自死したりするような事があってはならないと改めて堤先生のお話をお聴きし強く感じました。

コロナ禍の北海道から無事に参加出来、貴重な講話が聴けたことを今後の過労死防止啓発活動へ繋げて行こうと思いました。

(北海道家族会 村山百合子)

B会場報告

中央シンポジウムB会場では「パワハラを発生させない職場づくり」と題して、神奈川県立保健福祉大学大学院ヘルスイノベーション研究科の津野香奈美先生にご講演いただきました。

まず、パワハラの実態としては厚労省の調査から従業員の32%が過去3年間にパワハラを受けたことがあると回答しており、内容的には女性は「人間関係からの切り離し」「個の侵害」が多く、男性は「過大な要求」「過小な要求」「暴行・障害」が多いそうです。今は部下からの逆パワハラもあるそうで、上司をバカにしたり全員で無視したりのハラスメントは今後増えていくだろうとのことでした。

また、健康への影響も深刻で、うつ病や虚血性心疾患はもとより、PTSD症状やバーンアウトなど、身体疾患や心理的ストレス反応など多方面にわたり、また、パワハラを見ていた周りの人にもダメージを与えるそうです。職場にパワハラが存在すると「見ていて辛い、被害者が可哀そうだ」とか「次は自分がターゲットになるのではないか」と思ったり「なんだか居心地が悪い」と感じ、実際に1年後にはメンタルヘルス不調になるリスクが高くなるそうです。パワハラの組織への影響は大きく、経済的損失につながるという試算も出ているそうです。組織文化がパワハラを許している面もあり、パワハラがおこる風土として「パワハラ防止規定がない」「冗談、脅かし、からかいが日常茶飯事」「競争的で張り詰めた雰囲気」「規律遵守や従順さが求められる」などがあるそうです。

パワハラ発生防止のためにすべきこととして「自分の価値観を理解し、それを認める」「人によって価値観や関心が異なることを理解し、相手の関心に沿った関りを行う」「組織全体の多様性と尊重度をあげる」の3点をあげ、自分と他者の価値観の両方を認めることができれば、おのずとハラスメントをしなくなる、とまとめられました。

(東京家族会 渡辺しのぶ)

北海道過労死等防止対策推進シンポジウム報告

北海道過労死等防止対策推進シンポジウムは、11月27日(金)13:30から、ホテルポールスター札幌にて、牧内昇平氏(記者)の基調講演、遺族体験報告は、北海道での該当者が無く新潟のМさんにお願いしました。

北海道の感染拡大に伴い、締め切り日より早く参加事前申し込みが打ち切りとなりました。当日参加者は予定より少なかったのですが、家族会員が申し込み出来ず参加出来なかった事があり、変更時点での周知方法を次年度の課題として考えなければと思っています。牧内氏の講演「取材から見えてきた過労死の実態」は、牧内氏ご自身の過労体験、取材による過労自死事件、過労死を本気でゼロにするためには、などでした。

「取材にとどまらずご自分の体験だったこともあり重みがあった。」など聞けて良かったという感想がありました。

遺族体験報告は、来道による登壇が都合により困難なため録画としました。Мさん、中学生のお嬢さんのお二人が録画で語り掛けてくれました。「壇上で話すと小さいけれど、動画だと表情が良く見えて良かった。お嬢さんの話は心に訴えるものがあった」などの感想があり、コロナ禍でも開催出来た事は有意義だと思いました。

(北海道家族会 村山百合子)

東京過労死等防止対策推進シンポジウム報告

東京家族の会では、中央会場のシンポジウムで2名のご遺族が発言され、1名が代読で発言されました。ひどいハラスメントをうけて被災した事案では、聞いている方たちがハラスメントの実態について衝撃を受けたと思います。

その他にも東京立川、栃木、茨城、群馬、埼玉、千葉など関東近県の会場や東北、北陸地方の会場にもご遺族、当事者の方たちが出向いて発言されました。

シンポジウムでは労働局や講演者が過労死について発言しますが、「過労死の話を聞いていても他人事のようで現場の過酷さを反映していない、ひどい働かせ方をしている現場の取り締まりをしっかり行って欲しい」と感想をもつ会員さんもいらっしゃいました。

ある会場で、終了後に参加者が声をかけて下さったのですが、その方は立川会場で聞いた遺族発言の内容に衝撃を受け、すぐに千葉会場にも申し込んで聞きに来て下さったそうです。「過労死のご遺族の話を聞けるような場はほとんどない、ご遺族・当事者の発言を聞くことで、今、ぎりぎりのところで頑張っている人達は力をもらえると思う、最近はコロナのこともあり、生きていることが厳しい状況の人が増えている気がする、このような貴重なお話が聞ける場だということを多くの人に知ってもらいたい」と語って下さいました。

発言者は、辛いことを思い出しながらなので負担が大きいですが、このような言葉を聞いて遺族発言の大切さを実感しました。

(東京家族会 渡辺しのぶ)

神奈川過労死等防止対策推進シンポジウム報告

11月4日、みなとみらいの日石横浜ホールにて神奈川シンポジウムを行いました。
コロナ対策から200人以上入る広い会場に今年は約90名と減らし、10月中には受付終了となりました。

神奈川では毎年、3月ごろから神奈川労働局さんご協力のもと、家族の会、弁護団、各団体の皆様と何度も打ち合わせをしながらアットホームに準備を進め、当日も例年通り永田弁護士の司会進行で行いました。神奈川労働局からのご報告では神奈川の状況も大変わかりやすい資料でお話し頂き、神奈川県立保健福祉大学大学院の津野香奈美先生による「パワハラを発生させない職場づくり」について具体的で職場でも活用しやすくとても納得のいくご講演、神奈川労働局雇用環境・均等部より具体的な相談や指導のお話しをお伺いし、質疑応答では津野先生、雇用環境均等部、永田弁護士によるパネルディスカッション的に色々な立場からの意見を聞くことが出来て、パワハラについてとても充実した理解ができました。

またご遺族のお話では配送業のご主人を過労自死で亡くされた奥様の、自爆営業などで追い詰められ命を絶たれたお話はとても辛く、企業関係の方にも届いたことと思います。

(神奈川家族会 工藤祥子)

長野過労死等防止対策推進シンポジウム報告

長野県のシンポジウムは、11月30日(月)の午後からJA長野ビルにて行われ、基調講演は、毎日新聞の東海林 智氏による「過労死取材の現場から、あらゆる職場で悲劇を繰り返さないために何が必要か」講演していただき、過労死遺族からは、長男を亡くされた安部宏美さんの体験発表がありました。

以下、参加されたお二人に感想を寄せていただきました。Aさん:過労死等防止対策推進シンポジウムでは、長野会場と東京中央会場で遺族体験をお話しました。昨年長男を過労自死で亡くした受け入れがたい現実についてお話しました。現状を知ってもらうことは過労死を防ぐ第一歩だと思ったからです。それに長男から託された役割と思うことで、これからの人生に意義があるように思えるのです。

また、毎日新聞社の東海林氏の講演は遺族の立場に立ったお話で、過労死家族を想像力と連帯を持って支えてほしいと訴えてくださり救われた気持ちになりました。Bさん:過労死シンポは初めて参加しました。東海林さんの講演は、取材された過労死家族の悲しみを涙ながらに話され、遺族としてとても共感できました。特に印象に残ったのは、「企業は謝罪をしない」ということです。遺族が相手企業を謝罪までもっていく道のりは遠く、企業はわかっていないと思いました。

(長野家族会 小池宣子)

静岡過労死等防止対策推進シンポジウム報告

シンポジウム静岡会場、静岡市民文化会館大会議室 11月4日午後1時半~3時半、参加者(84名)(スタッフ、主催者、報道関係20名)挨拶、森下弁護士、実行委員会報告

主催者講演 静岡労働局大和氏(過労死防止白書の説明を骨子にまとめていただきました。)

講演 大橋弁護士「自治体職員の過労死事案、対策案と今後の課題」(静岡市によるメンタルヘルスケアが十分に機能していれば、早期に治療を受け、少なくとも自死には至らなかったものである)

講演 高橋氏「高橋まつりはなぜ亡くなったのか」(過酷な労働の実態が明らかになり、多くの資料を基に会場が涙に包まれました。これでは労働災害が確かに起こるはずであると驚きと怒りと悲しみに会場が包まれました。)

基調講演 川人弁護士「過労死・ハラスメントをなくすために」(過労死の多くが、特に新規部門、業績困難部門、繁忙部門において発生している。会社役員、幹部は、これらの部署には格段の配慮を行わなければならない。) 報告 鈴木英治、代読(家族の会尾崎)「障害者枠、入社後50日で自死した事案」(障害のある中18年間大切に育った青年。社会人へ皆が喜び未来を信じていました。しかし会社はその障害を何も配慮することなく対応して一人の青年の命を消してしまいました。労災判断に障害者の為の労災判断基準や配慮の基準がないことがわかってきました。皆様の協力をお願い致します。)

挨拶 萩原弁護士(総括)静岡労働局、プロセスユニーク様の協力で事前配布資料を県内の500カ所に配布することが出来ました。内容は過労死防止白書より抜粋、過労死防止学会の論文等より ・過重労働と脳心臓疾患、須田民男氏 ・自殺対策全体からみた過労自殺の防止 山内貴史氏 ・ストレスチェック導入の意義 堤 明純氏 ・医療労働と過労自殺 佐藤誠一氏・介護老人福祉施設における事務職員の過労死事案 小池江利氏 ・過労死等の視点からみる教員の勤務時間管理の問題点 松丸 正氏 ・過労死遺族に課せられた労災認定の壁 吉田典子氏 ・過労で倒れた父からコンビニをひきついで 高橋義隆氏、以上でした。   (静岡家族会 尾崎正典)

山梨過労死等防止対策推進シンポジウム報告

山梨県のシンポジウムは、11月25日(水)、午後6時30分より甲府駅北口のベルクラシックにて開催されました。

基調講演は、元朝日新聞記者の牧内昇平氏から「取材から見えてきた過労死の実態」と題して、講演をいただきました。国家公務員の上間正央さんからは、公務労働者の実態報告。山梨家族会会員(ご遺族)の芦澤 明さん・ひとみさんご夫妻からは、モラハラでご子息を亡くされたことの体験談発表がありました。

牧内さんからの「逃げろ!逃げていいんです」という言葉が印象的でした。ご自身の取材活動から、またご自身の仕事ぶりを振り返って、語っていただきました。「家族と過ごす時間や就寝の時間、仕事の時間を自ら決めよう」とありました。

上間さんからは、「今や国家公務員の4人に1人は非正規雇用、“パワハラ公募”と呼ばれている雇用更新時の実態は人権問題」と話され、非正規公務員の働き方を改善するための取り組みを報告されました。

芦澤さんは、モラルハラスメントを受け、死を選ばざるをえなかったご子息のことを、労災認定や損害賠償請求として司法の場で闘われた経験を語っていただきました。明らかな暴力も暴言もないハラスメントです。裁判史上初とも言えることに、永らく闘ってこられましたが、司法の扉は重く、裁判官らを動かすには至りませんでした。しかしながら、モラハラの実態、雇用者側の安全配慮義務をより一層確立させるために寄与できたものと確信いたしました。芦澤さんご夫妻の闘いは、広範に勇気づけられたものと感じました。

(山梨家族会 深澤佳人)

名古屋過労死等防止対策推進シンポジウム報告

6月に「パワハラ防止対策」が事業主の義務となりましたが、コロナの報道が常に前面に出ていたため、今年度は「パワハラ」に焦点をあてました。

労働局の方からこの防止対策の内容についての説明を、岩井羊一弁護士には「パワハラ」による過労死事件を紹介・解説して頂き「ハラスメント対策」の大切さをお話して頂きました。

その後、全国過労死家族の会代表世話人の寺西笑子氏からご自身の事件、家族の会の活動等のお話の後、今働いている方達へ「命よりも大切な仕事はない」と力強いメッセージを頂きました。

シンポジウムが終了後、初めて参加したという女性から「ハラスメント防止は絶対に必要ですね。参加して良かった」と言われ、とても嬉しかったです。

最後に、長年岐阜のシンポジウムを企画して下さっていた伊藤左紀子さんが8月にご逝去されました。ご主人を過重な仕事のストレスやパワハラを原因で亡くされ、公務災害認定まで10年という長い年月を闘われた後、過労死を無くす為に精力的に活動されていた方でした。大きな存在だった方を失う事はとても悲しい事です。ご冥福をお祈りします。

(名古屋家族会 伊佐間佳子)

京都過労死等防止対策推進シンポジウム報告

京都の過労死防止シンポジウムは、11月20日に池坊短大心ホールで、80人の参加で開催されました。

今年はハラスメント法の施行で、京都労働局から「職場におけるハラスメント防止対策の強化」の詳しい解説がありました。責務が明確化され、措置が義務付けられたことは一定の前進といえるでしょうか。私たちの仲間はパワハラで家族を亡くした者は数え切れません。

金沢城北病院精神科の松浦健伸医師は、「ハラスメントによる労働者の苦悩と過労死」と題して講演を行ないました。事例の紹介では、どのように精神疾患になるのかや心理的状態などを聞き、その苦しさを思いました。

福井県の支援団体から体験談がありました。長時間労働とパワハラを受けて自死しました。福井地裁でやっと過労死と認定されました。支援者は途中であきらめたら過労死ではなかった。行政段階で認めるべきだったと、強く話されました。遺族の負担は計り知れず、体調を壊して会場に来られませんでした。過労死ゼロ、ハラスメントのない社会が一日も早く実現されることを強く望みます。

(京都家族会 中嶌清美)

大阪過労死等防止対策推進シンポジウム報告

11月16日大阪過労死等防止シンポジウムがグランフロント大阪にて開催され140名の参加がありました。

大阪労働局の友住氏の開会挨拶の後、大阪労働局労働基準部監督課長の津田惠史氏に『過労死・過重労働をめぐる状況』、NPO法人「POSSE」代表の今野晴貴氏に『コロナで変わる労働現場とその危険性』、北里大学医学部公衆衛生学教授の堤 明純氏に『リモートワークの課題』をご講演いただきました。

そして、休憩をはさんで岩城弁護士、津田氏、今野氏、堤氏による『広がるリモートワーク』のパネルディスカッションが行われました。コロナウイルスの影響により、リモートワークが広がり、家庭で仕事ができ、通勤時間の短縮など利点も多い一方、家庭に仕事を持ち込むことにより労働時間の管理が困難になるなど問題も多いということが分かりました。

また、肩こり、腰痛、眼精疲労など肉体的にも負担が大きく気を付けないといけない、とのことでした。遺族の体験報告は、大阪家族の会より娘様を上司のパワハラによって命を奪われた津島様が、遺族の苦しみ、悲しみを話してくださいました。大阪のシンポジウムは経営者、会社員の方の参加が多いので、リモートワークでの仕事の利点と問題点を知る貴重な講演だったのではないかと思いました。

(大阪家族会 栄志津依)

兵庫過労死等防止対策推進シンポジウム報告
コロナ禍に負けず過労死防止を訴える

2014年11月開始の過労死防止シンポは兵庫では2020年で7回目となる。今年は人数制限等感染防止を第一に、過労死防止の声を絶やすまいと取り組んだ。

労働局、県、神戸市、労働三団体、過労死防止兵庫センター(家族会含む)で構成されるシンポ準備会ではパーティーションも用意され労働局等で6回の会議を重ねた。

労働局・県・神戸市の挨拶、労働局の報告と共に、企業からは長時間労働から社員の幸せを求める会社への変革の報告があった。上出恭子弁護士による基調講演は、「パワハラ防止法を含めたハラスメント一般について」と題し裁判例も含め分かりやすく熱の帯びたものであった。何より参加者の胸を打ったのは、労災認定等の後も「大切な人を亡くし当たり前の日常を奪われいまだ暗い闇にいます」「なぜ娘が嬉しかった事の報告を返事のないパパの遺影にしかできないのか」と訴えた遺族の声である。

労働三団体からはコロナ関係等の労働相談資料も配布された。兵庫センター共同代表藤原弁護士による閉会挨拶では、防止法成立後6年まだまだ不充分だが少しずつ進んでいる、さらに規制する法律が必要とあり、家族会としては、遺族が悲しい思いをしない社会、働く人々の命や健康が粗末にされない日本社会の早期実現を切に願いたい。

(兵庫家族会 西垣迪世)

岡山過労死等防止対策推進シンポジウム報告

11月26日(木)岡山国際交流センターにおいて岡山でも過労死等防止対策推進シンポジウムが開催されました。

基調講演は芸人でYouTuberのせやろがいおじさんこと榎森耕助氏に「過労死と働き方について考えよ~」をテーマに,そして,遺族の訴えは東京家族会の佐戸恵美子さんに行ってもらいました。基調講演は,テレビで有名な榎森氏の講演とあって,参加者のウケもよく,また,過労死について分かり易く説明され,榎森氏は過労死についてものすごく勉強されたのだと感心いたしました。特にCIAのスパイマニュアルに学ぶ会社をダメにする11の方法はものすごく面白く興味を引かれ,今後の役に立つ話だと実感しました。

次に,佐戸さんの訴えは元NHK記者であった娘さんが過労死をしてしまったことを非常に悲しみ,そして全く反省しないNHKへの激しい憤りを訴えて頂き,そして,今でも娘さんの死を悲しみ続け,全く心の傷が癒えていないことに私は共感しました。佐戸さんの命を削るような訴えには迫力があり,涙が出ました。

今回のシンポジウムの内容は,2日前に倉吉で講師と遺族が全く同じメンバーで講演されたようですが,講師の榎森氏は岡山でのウケが良かったようで,榎森 氏は上機嫌で会場を後にされました。また何年後かにはこの二人を岡山にお招きしてシンポジウムを行いたいと思いました。とても分かり易くて面白く,ためになるシンポジウムでした。

(岡山家族会 中上裕章)

山陰過労死等防止対策推進シンポジウム報告

鳥取会場報告

鳥取会場は、11月24日(火)午後1時30分から倉吉体育文化会館大会議室で過労死等防止対策推進シンポジウムを開催しました。参加者数は54名でした。ただ、私は参加しておりませんが参加者からの報告を基の記事です。

基調講演は「過労死と働き方について考えよ~」をテーマに、沖縄県在住の榎森耕助氏(タレント)が厚く語られました。タレントとして沖縄の海をバックに、現在起こっている社会問題を鋭く追求・論説はテレビでよく観て好感度がありますが、過労死問題にもしっかり勉強されておられ理解が深まりました。

事例報告では、佐戸恵美子(東京過労死を考える家族の会)さんから【過労死遺族による体験談発表】をテーマにお話しされました。元NHK記者だった娘 未和さんを2013年過労死で亡くされた経過、日本の企業社会の長時間労働を無くすためにと厚く語られました。この様子は夕方の山陰両県(鳥取・島根)を対象に、過労死シンポジウムの内容をNHKローカルニュースで放送されました。

(山陰家族会 三浦一雄)

島根会場報告

私達は過労死防止シンポジウム準備会開催(松江市 平成26年11月29日)以降、これまで松江市・浜田市・出雲市・益田市・雲南市・そして今回は大田市で開催。島根県内8市を一巡することを目的に、各地で過労死等防止を県民に訴え、認識を深めていただくためにシンポジウムを実施しております。

今年度は2020年(令和2年)11月25日大田市の「あすてらす」会場で開催しました。5月18日、開催地の大田市役所健康福祉部へ事前協議に行きました。担当課職員から開口一番にお話しされたのが『過労死防止対策シンポ開催には理解できますが、主催者側のウイルス感染症防止対策を徹底してください』と強く訴えられました。

8月中旬には市役所内部に過労死シンポ担当職員(係長職.保健師)を選出していただき開催直前まで協議を重ね、何一つ問題なくスムーズに閉会できたことに、これまでに無い安堵感を持ちました。

基調講演は地元出身で現在、森友学園裁判で遺族側代理人弁護士として取り組んでおられます生越照幸弁護士(大阪弁護士会所属)にお願いしました。講演の終盤で森友学園自死遺族裁判経過をお話しされると、来場参加者の視線が生越弁護士一点に集中されるほど、皆さんが驚きの顔が印象的でした。

(山陰家族会 三浦一雄)

東四国過労死等防止対策推進シンポジウム報告

徳島会場報告

日時:11月19日(木)13:00~15:00/場所:徳島大学けやきホール/参加者:130名満席「過労死・ハラスメントをなくすために」川人博弁護士「遺族発言」高橋幸美氏 高橋さんは「命より大切な仕事は無い」「労災認定されても、会社が有罪になっても娘は戻ってこない。コロナ禍でも働き方の改善を止めないでほしい」と訴えました。

数年前に労災認定された過労死ご遺族が、会場で川人先生と高橋さんの話を聞いて、後日過労死家族の会に入会されました。労災認定されても心の深い苦しさや悲しさを話す場所がなかったようです。川人先生、高橋さんに感謝申し上げます。

現在東四国家族の会会員、徳島大学の卒業生のご主人が過労死し、苦しい裁判で労災認定されました。伝手を探し、いつか必ず徳島大学でシンポジウムをすると念じておりました。徳島大学でクラスターが発生した際にはシンポジウムが開催出来なくなるのではと心配しておりましたが、無事開催でき、シンポ終了後に川人先生と今回参加してくださっていた先生の甥にあたる徳島大学病院の教授がお二人で笑顔で話しながら帰られる後ろ姿を見て、徳島大学でシンポジウムが出来て本当に良かったと思いました。

(東四国家族会 大島照代)

香川会場報告

日時:11月27日(金)14:00~16:00/場所:かがわ国際会議場/参加者80名満席

「働き方・過労死をめぐる最新動向 ―コロナ、リモートワーク、パワハラ、雇用類似の働き方―」

岩城穣弁護士と、「パワハラ・過労死を生みださない働き方とは」寺西笑子氏の講演。

昨年の香川の参加者は29名でしたが,今年は満席でした。多くの方々にご協力いただきました。そして岩城先生と寺西代表のお話で参加者にとても喜んでいただけました。ただただ感謝、感謝でした。

来年こそは香川県も大学の会場で若い学生さんと一般の方々とのシンポジウムが出来ますように願っています。「念じれば花開く」を信じて。

(東四国家族会 大島照代)

四国過労死等防止対策推進シンポジウム報告

広島会場報告

11月9日14:00~16:00 広島YMCA国際文化センター 参加者約60名、基調講演 垰田和史氏 びわこリハビリテーション専門職大学教授「生きること、働くこと、過労死事例を通して考える」「眠り」の重要性とそれを妨げられる事がどれだけの疲労につながるか医学的見地より過労死に対する考察で、非常に、わかりやすい内容であった。*大阪家族の会のメンバーが参加してくれていて意見交換を行えた。

(四国家族会 久保直純)

高知会場報告

11月24日13:30~15:30 高知ちよテラホール 参加者約50名、基調講演 天笠 崇氏 代々木病院精神科医師 いの健東京センター理事長、「働き方改革・ハラスメント防止法・時代のメンタルヘルス対策」現役の医師の立場から見た、メンタルヘルスについての講演内容は単なる机上の研究ではなく、「現場」でしかわからない過労死に関わるメンタルヘルス問題をわかりやすく解説する内容であった。

(四国家族会 久保直純)

愛媛会場報告

11月30日18:00~19:30愛媛大学 参加者約60名、基調講演 長井偉訓氏 愛媛大学名誉教授「職場のハラスメントと過労死問題を考える」ハラスメントとは?定義・本質・現状・特徴・要因・背景を時系列にわかりやすく解説、そして課題がなんであるかを明確にした内容であった。その前に遺族発言として高橋幸美氏より「高橋まつりはなぜなくなったのか」一人の母親としての切実な話をして頂きました。昨年に続き2年連続でした。

3会場共、久保も遺族発言をさせて頂きましたが、例年よりも、どの会場においても、遺族発言の時間をしっかりと取って頂き、遺族の気持ちをしっかりと伝える事が出来たと思います。しかしながら、労働局の地域による温度差は否めないと感じました。まだまだ、単なる「仕事」として参加している管理職がいることは残念であります。家族の会のないエリアにおけるシンポのあり方について次年度においては、隣接の家族の会のサポートも必要ではないかと思います。

(四国家族会 久保直純)

福岡過労死等防止対策推進シンポジウム報告

福岡では、2020年11月6日にシンポジウムが開催されました。開会前にダ・カーポさんが歌う「ぼくの夢」が流され、過労死をなくしたいという気持ちがひとつになったようでした。

共同通信社デスク川井猛さんによる「変わるか働き方、なくせるか過労死~アフターコロナと働きすぎ社会」と題する基調講演では、記者から見た過労死の実態や過労死防止が長期的には企業の利益になることについて、多くの取材事例をもとに報告がありました。

遺族報告では、電通事件の被害者高橋まつりさんの母美幸さんが、まつりさんのツイッター等のやり取り(「47時帰宅、47:40出社もあり得る」など)を報告しながら、いま苦しんでいる若者に対し、「追い込まれるまでがんばらず、休んでほしい」などと話されました。

福岡過労死等を考える家族の会からは、代表の安徳晴美さんが、夫の公務災害認定を得た自身の経験を踏まえ、過労死をなくすために多くの方とつながりたいという決意を述べられました。

働き方改革という言葉で終わるのではなく、労働現場の実態を根本から変えないといけないと痛感する2時間でした。コロナ禍の中で開催自体も危ぶまれましたが、非常に意義のある集会となりました。

(福岡家族会世話人 弁護士 星野圭)

東九州過労死等防止対策推進シンポジウム報告

大分会場報告

大分シンポでは、天笠 崇先生から、一時間では足りないくらいの豊富な内容の基調講演をしていただきました。遺族発言では佐藤久恵さんが、初めて地元の大分で、ご子息の過酷な労働実態と2020年6月に相手企業と合意した内容について報告されました。佐藤さんは宮崎シンポでも遺族発言され、両県とも地元紙に掲載されたことで、広く過労死防止活動に貢献されています。

(東九州家族会 桐木弘子)

宮崎会場報告

宮崎シンポでは、松丸 正弁護士が基調講演して下さいました。さらに、西田隆二弁護士からトラック労働者の過労死事案の報告を受けて、宮崎の産業医である上野 満氏、弁護士の谷口純一氏、遺族代表の桐木と共に、「自己責任で過労死は防止できるか」についてのミニパネルディスカッションにも参加していただきました。

自己管理の大切さと、何より企業側の責任の重大さについて、それぞれの立場からの考察を聞いていただき、過労死防止に役立てたいとの狙いでした。鹿児島、熊本、長崎にも家族会の会員がおられることから、シンポに参加させていただきました。長崎では、これから裁判を闘うご遺族が新規に入会されましたので、主に精神面での支援をしていきたいと思います。

(東九州家族会 桐木弘子)

【主な活動報告】

9月 25日 全国過労死を考える家族の会第81号ニュース発行:事務局
10月 2日 過労死弁護団全国連絡会議総会:埼玉県
10月 24日 遺児交流会準備会④:WED会議(zoom)
11月 9日 過労死等防対策推進協議会準備会議:厚生労働省会議室
11月 10日 第17回過労死等防止対策推進協議会:(東京)中央労働委員会講堂
11月 11日 全国過労死を考える家族の会要請行動:厚生労働省および地公災基金本部
11月 11日 厚生労働省前宣伝行動:(霞が関)厚生労働省前
11月 11日 過労死等防止啓発シンポジウム中央会場:(東京)イイノホール
11月 12日 全国過労死を考える家族の会総会:(東京)全労連会館
11月 26日 過労死等防止について考える超党派議員連盟総会:衆議院第1議員会館多目的ホール
12月 5日 遺児交流会準備会⑤:WED会議(zoom)
12月 11日 いのちと健康を守る全国センター総会:WED会議(zoom)

【主な活動予定】

1月16日 過労死防止全国センター幹事会:WED会議(zoom)
1月23日 全国過労死を考える家族の会世話人会:WED会議(zoom)
1月26日 第18回過労死等防止対策推進協議会:東京
2月13日 遺児交流会準備会⑤:WED会議(zoom)
2月27日・28日 遺児交流会:静岡県

 

カンパのお願い

家族の会は皆様のカンパを主な活動原資として活動しています。
カンパのご協力をよろしくお願いします。

ゆうちょ銀行 店名 〇五八(ゼロゴハチ) 店番 058
預金種目 普通預金 口座番号 3713219
口座名義 全国家族の会(ゼンコク カゾクノカイ)

 


【発 行】全国過労死を考える家族の会(2021.1.15発行)
【事務局】東京駿河台法律事務所内 TEL. 03-3234-9143
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町二丁目3番1号 岩波書店アネックス7F