全国過労死を考える家族の会

全国過労死を考える家族の会ニュース 第68号

全国過労死を考える家族の会ニュース 第68号
【発 行】全国過労死を考える家族の会  (2016.4.20発行)
【事務局】東京駿河台法律事務所内  TEL:03-3234-9143
東京都千代田区神田神保町2-3-1 岩波書店アネックス7階


遺児交流会 IN USJ

遺児交流会では、3月27日、9家族、26名の参加で大阪のUSJに行ってきました。頑張って早起きした子ども達は、午前中からユニバーサルスタジオジャパン(USJ)に到着しました。途中で合流したり、パーク内で待ち合わせをして、いくつかの家族でまとまり、手分けをしてチケットをとったり並んだりして効率よく楽しむことができました。親が一人だと子どもを連れて回るだけで疲れ、長時間並んでいると親も子もイライラして、楽しみに来たのにつまらない気持ちになってしまう事もあります。でも、みんなでいると長時間並ぶことも苦にならない様です。人気のハリーポッターのアトラクションは3時間待ちでしたが、子ども達は乗りたいと言い張り、3時間みんなでワイワイしながら並んでいました。その間にお母さんたちはのんびりお茶をしながら子育ての話で盛り上がり、親も子もストレスなく楽しい時間を過ごすことができました。小さいお子さんがいる家族は先にホテルに戻り一休みしていましたが、夜はみんなに合流し親チーム・子どもチームに分かれてそれぞれ話に盛り上がっていました。初参加のご家族もいましたが、すぐに打ち解けて子ども達は大騒ぎをしていました。小さいうちから辛い体験をした子ども達ですが、みんなで笑い、騒ぐことですこしでもストレスを発散できればと願っています。お母さんたちは裁判や労災や子育てなど、少し前に体験した人がアドバイスをしたり、励まし合ったりしてエネルギーを充填していました。参加した小さな子が「またここに来る、またここに来る」と言いながら、話をしているお母さん達の周りをくるくる回っている姿を見て、今回の集まりがまだ幼稚園の子どもにとっても楽しい時間だったことがわかりました。子どもの笑顔は親を笑顔にし、親が笑顔になると、子どもは楽しくなります。過労死の場合は、死別の悲嘆だけで終わらず、労災や裁判などさらにつらく苦しい時間が続くことが多く、親は疲弊し、子どもにも影響が出ることがあります。この会に参加することで辛さを分かち合い、楽しい時間を過ごすことでストレスを軽減し、さらに労災や裁判のアドバイス、一人で子育てをするときの知恵などの情報交換ができました。大人も、子どもも来年の再会を楽しみにそれぞれの地に戻っていきました。(A)

2016年 3月27日に遺児交流会で、大人11人 子供15人で、大阪のUSJに行きました。
僕は一年ぶりに参加しました。子供たちと共に遊んだり、話したりする中で子供たちのたくさんの成長を見ることができました。また、子供の成長は目に見えるものだけではありませんでした。
例えば、アトラクションの待ち時間の際に 、一年前だったらしびれをきらし 騒いでしまったりして、僕も大変な思いをしたことが記憶にありますが、一年という月日を経て、状況にあった振る舞いができるようになっていることがわかりました。
新たなメンバーも加わり、より一層賑やかになりました。最初は既存のメンバーとなかなか打ち解け合うのが難しそうに思えましたが、アトラクションを終えてホテルに戻るとすっかりと輪に加わっていて笑顔もたくさん溢れていました。新たな出会いが既存のメンバー達に社会性を高めるチャンスを与えていると感じ取ることができました。
アトラクションを終えると、みな笑顔がたくさん溢れていました。僕は15歳ですが、小学生の一言などに気づかされることもありました。改めて地元では感じることのできない、様々な地域の人との関わりができるこの会は発見が多い、良き会だと感じました。(B)

 

今回感想を書いてくれたB君は、遺児会の集まりの初期の頃から参加してくれています。当時はまだ幼稚園に行く前で、ちょろちょろ走り回る元気いっぱいのちびっこかいじゅうでした。遺児会の集まりで年に1回会う度ごとにぐんぐん大きくなって、ついに今年の春には希望校合格を果たし、4月から高校球児になります。今回の集まりでは、かつての自分の様なちびっこかいじゅう達とたっぷり遊んで面倒を見てくれました(そのせいか誰よりも早く寝ていましたが)。父親との時間を奪われた子ども達にとっては大きなお兄ちゃんとの時間はかけがえのないものです。遺児会も会を重ねるごとに支援してもらっていたが子ども達が成長し、支援することが出来るようになってきました。遺児会の活動に対して「何歳までが遺児なのか」と問われることがあります。大きくなってからも「遺児です」というのはおかしいと感じるかもしれませんが、自分の体験を通して、小さな子達を支えてくれる、成長した子ども達の参加もなくてはならないものになってきました。今後ともこの活動につきましてご理解・ご支援いただきたく、よろしくお願い致します。

世話人会報告

平成28年1月16日(土),東京御茶ノ水の中央大学駿河台記念館において全国過労死を考える家族の会の世話人会が行われました。
出席者は弁護士玉木先生をはじめ全国家族の会の事務局・世話人14名が参加しました。
この場で約2時間協議を行いましたが,紙面の都合上、主な決議事項の報告をさせて頂きます。
先ず,2015年10月10日から2016年1月8日までの活動報告がなされ,次に1月16日から3月28日までの主な活動予定の報告がなされました。
その後,昨年の厚生労働省要請や地方公務員災害補償基金本部要請の反省など協議しました。
厚生労働省要請に関しては,毎年,要請文の書式など守らない人が出ており,この点において,各地の世話人は訴えをする会員に対して,書式と期日を守ることの徹底を確認しました。また,今回の厚労省要請において,(当時)民主党の議員が2人も参加して頂き,厚労省の対応が格段と良くなったので,今後も各政党・議員などに家族の会の運動を知ってもらうことの取り組みを決めました。
基金本部要請に関しては,今まで基金本部要請を担当してくださった弁護士が参加できず,急遽他の弁護士にお願いしましたが,今後は受けてくださるかどうか分からないといった不安があり,基金本部要請の弁護士をどうするかの課題が残りました。できればお一人ではなく複数の弁護士で要請行動に参加してほしいとの要望がありました。また,基金本部要請において,遺族の訴えをする人が減少しており,「訴えても何も代わらない。」といった諦めの感情と不安が寄せられました。これに対して,厚労省要請や基金本部要請は1回行ったから劇的に状況が変わるものではなく,継続することによって状況を少しずつ変えていくものだから諦めずに継続していくこと大事という結論になりました。その理由として,いちど辞めてしまうと再開することは非常に困難なことになるからだそうです。そういったことで,基金本部要請については,弁護団に公務災害の申請中または係争中の方を基金本部要請において訴を行う人の掘り起こすことも決定されました。

今年は,東京弁護士会から全国過労死を考える家族の会が人権賞を受賞し,副賞(賞金)を頂いたので,その使い道について協議しました。そこで提案されたのが,全国過労死を考える家族の会のホームページを専門家に依頼して,現在のホームページを一新しようとの意見が出され,この提案については全員一致で了承されました。また,遺族の訴え(語りべ)について議論しました。語りべは、命の大切さを語り継ぐことによって広く社会に過労死の問題を訴えかけることが大事であると確認されました。この点において,だんだん風化しないように語りべの話を文章にして蓄積していくべきではないかとの意見が出されました。更に,過去の大きな事件や有名な事件については裁判資料が何方かが引き出せるようにするべきではないかとの意見が出されましたが,この2点においては,新たな全国過労死を考える家族の会のホームページが出来上がってからホームページ上で閲覧可能な状態にするよう確認されました。
最後に,今年4月22日(金)に島根県松江市において(島根県と鳥取県)「山陰過労死等を考える家族の会」発会式が予定され、同日13時30分から記者会見、その後、島根と鳥取の労働局長の来賓挨拶、寺西代表の講演が行われるとの報告を受けました。(C)

各地のニュース

北海道

第4回総会が1月30日に行われました。
総会の前に精神科医の田村医師から「過労死問題を通して見える日本社会の課題」としてお話しを聞くことができました。
田村医師は過労自死3事例(2010年)の「精神科医の意見書」を書いて下さり、2件は労災認定もう1件は行政訴訟(地裁)で勝訴しました。
総会にはいの健北海道センターに相談をしていた家族が参加し入会しました。
ご主人(バス運転手55歳)が長時間労働などで運転中に脳出血を発症、乗客を巻き込む事故には至りませんでしたが障害が残り現在も入院中の事例。
さらに2013年7月と9月に新卒看護師の自死が札幌市内の病院と地方都市の病院で起きていました。入職して僅か4か月(34歳男性)と6か月(36歳男性)です。
2事例とも労災申請は不支給になり審査請求の準備を進めていますが、2012年12月KKR札幌医療センターで起きた新卒看護師自死(23歳女性 再審査請求中)の「支援の会」と連携した活動をしていきたいと思います。(D)

東京

長年東京家族の会の代表を務めて頂きました、Eさんが他界されました。
長年のご活動に敬意を表するとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

E様のこと
家族の会 会員のEさんが今年(平成28年)2月22日にお亡くなりになりました。享年78歳でした。
3月の初め、Eさんのご長男からお電話をいただきました。
今年の1月22日に「体が動きにくくなった。」と訴え、病院を変えたりするうちに1月27日には入院となり、末期癌と診断され、それから1ケ月もしないうちにお亡くなりになったとのことでした。
Eさんは「京セラ」に勤務していた御次男を過労死で亡くされました。
そして「京セラ」を被告として損害賠償を求めて提訴し、2002年(平成14年)3月12日に勝利判決を勝ち取りました。
当時はまだまだ企業に対する損害賠償裁判をする遺族が少ない中勇気を出して闘い、勝利して後進に道を切り開いて下さいました。
息子さんを失った母親の強く深い愛を感じました。
その後2003年(平成15年)から3年間秋田県大仙市にお住まいにもかかわらず毎月上京して東京家族の会(略)の代表を務めて下さいました。
明るく 太っ腹な肝の坐ったお母様というにふさわしい大きなお人柄は遺族の方々から多いに頼りにされました。
世話人会の時には大変おいしいお手製の漬物、水菓子、秋田野菜の煮物等々何箱もお持ち下さり皆さんでいただきながら話し合いました。
いつもお元気なお姿を拝見していただけにこの度の訃報は本当に驚きました。
何かにつけ頼らせていただいていた私には心に大きな穴が空いたようで寂しい限りです。
いろいろな心温もる思い出をいただき本当にありがとうございました。
そしてお疲れ様でした。
どうぞご主人様や息子さんと共に安らかにお眠り下さいませ。 合掌 (F)

山梨

山梨での活動状況を報告いたします
家族の会員は10人、また「いの健センター」の皆さんや賛助会員を合わせ、多数で活動しています。新年会、花見、納涼、秋を愛で、忘年会など、山梨ならではの温泉を活用し、交流会を行っています。また、関東甲信地区交流集会には、積極的に参加していきます。
主な取組を紹介します。
G君モラハラ裁判は、労災業務外取消の行政裁判と大手電力会社東電を相手に損害賠償請求裁判を支援しています。10回の口頭弁論を終え、署名は1万筆を目指しています。
Hさん過労死裁判は、労災は業務上。会社に損害賠償請求を提訴。和解案が裁判所から示されましたが、不当な過失相殺で到底のめる額ではありません。控訴する覚悟です。
Iさんは、労災認定の後、山梨貸切自動車(株)に損害賠償請求、勝利的な和解を勝ち取りました。その後、その労災が原因の心筋梗塞について再発として労災請求。残念ながら労働保険審査会にて棄却。6ヶ月以内に提訴を予定。担当弁護士を選定、依頼したところです。
教員のJさん、うつ病公務災害は5月30日に労働保険審査会にあたる本部審査会。この事件に大きく関わった犬咬み事件については、行政処分取消を求めて裁判中。地方公務員災害補償基金の制度や審査の不当さを明らかにしつつあります。また、国家賠償法に基づき、この被災当時の校長のパワハラが主な原因として提訴。口頭弁論は10回を数えます。
NTT Kさん、「寒冷暴露」突然死事件は、労災認定を求め裁判中。行政側の執拗な反論をしっかり受け止め、大阪の岩城弁護士も加わり、5人の弁護団で取り組んでいます。
それぞれ、傍聴席を満席に、請願署名の協力を求め、市民にアピールしながら、家族会一丸となって勝利をめざします。
私たちの合い言葉は「行動した時点で、すでに勝利!」です。そして、一つ一つの活動の積み重ねが、それぞれの勝利だと考えています。(L)

静岡

静岡(中部電力浜岡原子力発電所職員の自死上告事件)
M氏は平成18年2月20日早朝、中部電力浜岡原子力発電所建屋内で自死(享年37歳)されました。平成20年11月に労災不支給処分、静岡地裁判決、東京高裁判決とも敗訴、現在最高裁に上告中です。最高裁判所が公正な判断をするよう要請署名(団体)にとりくんでいます。
M氏は放射線量管理手引きの改訂作業を任されました。当時中部電力は、プルサーマル計画に取り組んでいました。M氏の作業も計画に伴って見切り発車された業務でした。原発全体が手探りで、混乱の中でした。M氏は、時間外労働が100時間ほどの長時間労働となり、持ち帰り残業も余儀なくされました。締め切り5日前の休日には、疲れ果てて寮からホテルに避難していたところ呼び出され、「できなきゃ死ね」などの暴言を浴びました。また検討会の開始早々上司が「使い物にならん」と言って席をけってしまい検討の機会を奪われました。こうしてM氏は、極度の摂食障害に陥り、心身とも疲弊して、「・・っ疲れました(ママ)」のメモを残して縊死したのでした。中部電力は「タイムカードによる管理をしていない」といいますが、原発で出入りを厳密に記録していないなどありえません。代わりに中電が出してきた資料は不払い残業の隠れ蓑に使われたことがある代物です。裁判所も出入りの記録を提出さず、厳密な出入り管理が無いことを前提とした判決で著しく経験則に反しています。「できなきゃ死ね」発言も、別の上司の「死ねくらいに言っていた」という証言が、「くらい」では曖昧として認定せずこれも非常識です。

名古屋           名古屋から

2月の初めに家族の会の総会を開催。「土日は仕事」と言う方も多くてなかなか顔が揃いません。この春は、判決が続きます。Nさんが3月16日名古屋地裁において不当判決を出され、悔しい思いをしました。判決は道理一辺倒の内容で、認めない結論先に在りき。異常な出来事に遭遇していないとか、時間外労働は荷重では無い、また業務外の要因(うつ病に伴う早朝覚醒、ブルガタ症候群及び喫煙習慣)を彼が複数持っていたからと、80時間に近い残業時間を無かった事にして労災と認めませんでした。4月21日には市バス山田裁判も名古屋高裁で判決を迎えます。高裁に上げてすぐに結審しようとした裁判官、不当な地裁判決が思い出されます。息子さんを亡くされたご両親の心境はいかばかりかと胸が痛みます。つくづく裁判官も「くじ」だなと思います。どうぞ真実に目を向けてくれる裁判官が、名古屋に来てくれることを願っています。(O)

20160420-3

京都

P裁判に全力で取り組みます
1月に第28回家族の会総会を開催しました。参加予定者の体調不良等により、少ない参加者でしたが、賛助会員もご参加いただき、有意義な総会となりました。例会活動、財政活動などを見直していくことを決議し、今年度の活動を始めることとしました。4月に春の例会を「P裁判を支援する会」に呼びかけて行います。
P裁判は2月に民事裁判(生命保険金請求)が大阪高裁で棄却されました。皆様には団体署名などのご支援をありがとうございました。出された判決は、棄却された京都地裁の判決の内容を下回るようなさらにひどい不当なものでした。Pさんは、民事裁判の不当判決から気持ちを切り替えて行政裁判に取り組む決意をされました。家族の会でもしっかり支えていくつもりです。「P裁判を支援する会」は、大阪地裁での行政裁判に全力を注ぐ決意で、4月に学習会・決起集会を開催し、署名活動に取り組みます。6月22日に証人尋問が決定しました。引き続きご支援をお願いいたします。
過労死防止京都連絡会総会を5月に開催予定です。京都で闘われた過労自殺事例を学び、P裁判を励ます集会にしていきたいと計画しています。過労死ゼロ社会を目指すために、P事件を通じて過労死問題を学び、世論を変えていくことが大切ではないかと感じています。(Q)

大阪     全面勝利和解が大阪高裁で成立しました!

夫は、2010年10月事務管理室室長として勤務していた介護老人福祉施設で残業中クモ膜下出血を発症8日後に亡くなりました。私は労基署での労災認定後、民事裁判を提訴しました。地裁判決は、夫が亡くなる直前の4か月、月に91時間50分~146時間42分の時間外労働を認め、発症と業務との因果関係を指摘し、社会福祉法人和歌山ひまわり会の安全配慮義務違反を認定し勝訴しました。皆様には「控訴するな」FAX要請のご協力を頂きありがとうございました。しかし被告は控訴し、昨年11月から大阪高裁で控訴審が行われましたが、2月29日に和解が成立しました。和解条項は、法人は夫の働き方への感謝と謝罪はもちろん『葬儀後、遺族が施設を訪問した際、職員が「Rさんはタバコを吸いに行った際に倒れた」などと説明したがその説明内容が真実と異なったこと、あたかも亡Rが不適切な会計処理を行ったかのように主張したがそのような事実は存在しないことをそれぞれ認め深く謝罪する』という項目を認めました。和解により遺族には許せない発症時の虚偽説明を認めさせ、夫が生前から悩んでいた会計責任についての名誉回復ができました。このような異例の項目を含む勝利和解成立には弁護士の先生方のお力と皆様のご支援のおかげと感謝しています。今後は微力ながら後進の支援に力を注ぎたいと考えています。よろしくお願い申し上げます。(R)

兵庫             労災認定されました

光通信に勤務していました私どもの長男は、2010年2月心臓性突然死で亡くなりました。解剖医、同僚、部下の方からの話を聞き急死の原因が業務によるものと確信し労災申請を行いましたが、発症前6ヶ月の時間外労働時間の平均が基準を満たしていない、と機械的に切り捨てられ、会社側の主張をそのまま採用しました。その後、労働局・審査会に棄却され2012年9月大阪地裁に提訴しました。労働局と会社側の嘘・偽りを証拠保全で入手した資料を基に、労働時間・削除されたスケジュール・過酷なクレーム対応・そして体調不良を訴えているメール等が立証でき、2015年2月長男の死が過労死と認められました。判決内容は発症前36ヶ月からの恒常的な長時間労働による疲労の蓄積、クレーム対応などの精神的負担が相当大きかった事、健康診断の記録から医学的知見データと脳・心臓疾患の認定基準に照らし合わせ本件疾病に至ったと判断されました。それにも係らず国は不当にも控訴してきましたが大阪高裁は控訴理由がないとし、国の控訴を棄却しました。その後、国は上告を断念し判決は確定されました。判決は争点であった発症前6か月より前の業務について、過労死裁判で最も長い36ヶ月にも遡って業務過重性を認めていただき、長男の名誉を回復することができました。そしてこの行政裁判を勝訴したことにより、会社と和解することもできました。裁判中、全国の皆様から沢山のご支援を受け、辛い裁判を乗り切ることができました。家族一同心より感謝申し上げます。(兵庫家族の会会員)

岡山   岡山過労死を考える家族の会総会を開催

1月8日(金)サン・ピーチOKAYAMAに於いて第21回岡山過労死を考える家族の会総会及び新年会が行われました。出席者は大阪からの参加者を含めて,12名でした。最初の30分は,岡山過労死を考える家族の会総会が行われ,昨年の活動報告や会計報告及び新役員体制の決定が行われました。その後は毎年恒例のふぐ会席を堪能し,一年ぶりに会員が揃って,近況を話し合ったりして新年会を楽しみました。新年会は3時間ほどでしたが,楽しい一時を過ごし,一年の鋭気を養い,また来年の再会を約束して閉会いたしました。(S)

【主な活動報告】

1月16日 全国家族の会世話人会:東京・中央大学駿河台記念館
1月16日 過労死防止全国センター幹事会:東京・中央大学駿河台記念館
1月16日 過労死防止学会東京幹事会:東京・中央大学駿河台記念館
2月 2日 日本労働組合総連合会 会長面談:東京・連合会館
2月18日 過労死等防止について考える議員連盟総会:東京・参議院議員会館 会議室
3月12日 佐賀啓発シンポジウム(自主開催):佐賀県・メートプラザ佐賀
3月26日 徳島啓発シンポジウム(自主開催):徳島県・トモニプラザ会議室
3月27日 富山啓発シンポジウム(自主開催):富山県・富山県民会館
3月27日~28日 遺児交流会:大阪・ユニバーサル スタジオ ジャパン
3月30日 命と健康を守る全国センター理事会:東京・全労連会館
4月 1日 命と健康を守る全国センター労働基準行政検討会:東京・全労連会館
4月 2日 過労死弁護団全国連絡会議拡大幹事会:東京・中央大学駿河台記念館

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【当面の活動】

4月12日 厚生労働省対策推進室会議:東京・厚生労働省会議室
4月20日 命と健康を守る全国センター労働基準行政検討会要請:東京・厚生労働省
4月22日 「山陰過労死等を考える家族の会」結成総会:島根県・島根県職員会館
5月21日~22日 過労死防止学会第2回大会:大阪・関西大学千里山キャンパス
7月16日(土)~17日 (日) 夏の一泊学習交流会:京都聖護院 「御殿荘」
7月17 日(日)午後~過労死防止全国センター総会:京都聖護院 「御殿荘」

次回世話人会

日時:2017年9月3日(土曜日)
開場:東京駿河台法律事務所
場所:東京都千代田区神田神保町2-3-1 岩波書店アネックス7階 TEL 03-3234-9143

編集後記

今回は、遺児の会の活動、各地での総会報告、労災認定も多く、編集にも身が引き締まりました。(T)