全国過労死を考える家族の会

「過労死防止法」制定2年を迎えて 初の「過労死等防止対策白書」が公表されました!

2014年6月過労死防止法は成立して早や2年、同法第6条に基づき国会に毎年報告をおこなう、法定白書『我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況』が公表されました。

白書の構成は、第1章「過労死の現状」、第2章「過労死等防止対策推進法の制定」、第3章「過労死等の防止のための対策に関する大綱の策定」、第4章「過労死等の防止のための対策の実施状況」、「資料編」になっています。

白書のポイントは、①過労死防止に基づき今回が初めての法定白書であること、②過労死防止法が制定に至るまでの経緯などについて記載、③過労死等の実態を解明するための調査研究(労働者の労働時間だけでなく生活時間の状況等の労働・社会面からみた調査や、労災認定事案のデータ ベース構築など)など、平成27年度に行われた過労死等防止対策の取組について記載、④過労死等防止対策に取り組む民間団体の活動をコラムとして紹介。平成27年度の年次報告「白書」は280頁仕立てになっています。

コラムは、過労死弁護団と過労死家族の会が(12本中)8本を担当しました。コラム1『「過労死110番」から始まった過労死の救済・予防の取り組み』、コラム2『励まし合い、社会に過労死問題を訴えてきた四半世紀~全国過労死を考える家族の会の歴史と活動~』、コラム3『過労死防止法の制定にかけた過労死遺族たちの思い』、コラム4『各地の過労死家族の会の紹介』、コラム6『スタートした過労死防止学会』、コラム10『第2回過労死等防止啓発月間、過労死等防止シンポジウムが全国で多彩に開かれる』、コラム11『過労死遺児交流会』、コラム12『各地の過労死等防止対策センターの紹介』が掲載されています。

このように過労死家族の会が長年にわたり積み重ねてきた地道な活動と遺族の思い、法制定の運動や過労死防止対策の啓蒙活動など評価され、私たちが要望して国が取り組んだ法定白書に名前を連ね報告できたことをとても感慨深く思います。

白書の労働者調査によれば、過労死ラインとされる月80時間超の長時間労働は22.7%の実態があり、理由は「業務量が多い」ことが最も多くあげられ30代~40代男性が多いこと。残業時間が長いほど疲労の蓄積でストレスが高く、睡眠時間が足りないことが明示されました。

先日閣議決定の際、「過労死等防止について考える議員連盟」総会が開催され(議員・秘書56名参加)白書について、厚労省のヒアリングがおこなわれました。議員から初回「白書」作成への敬意とともに、長時間労働と36協定の実態に踏み込んだ発言が多くあがり、議連として「労使を招いた勉強会」の実施が決定されました。3年目に向けて長時間労働の働き方の改善策が講じられるように期待いたします。

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