全国過労死を考える家族の会

全国過労死を考える家族の会ニュース 第73号

【発 行】 全国過労死を考える家族の会  (2018.1.15発行)
【事務局】 東京駿河台法律事務所内  ℡ 03-3234-9143
東京都千代田区神田神保町2-3-1 岩波書店アネックス7階


心をひとつにし、過労死ゼロの社会をめざして前進を!

1. 【第30回「全国家族の会」統一行動 開催】
去る11月8日、東京・中央シンポジウムの開催日程に合わせ統一行動をおこない、約50人が結集しました。厚生労働省と地方公務員災害補償基金本部へ団体要請書を提出し、過労死被災者の救済と過労死の根絶を求めて要請しました。深刻なのは、18歳、20歳、26歳、31歳という若者が上司の暴言、職場のイジメ嫌がらせ、新人に過大な責任ある仕事を命じるなどパワハラを受け自死に追い込まれた訴えが多くあり、国へパワハラ防止対策の改善を強く求めました。終了後、小雨降るなか厚労省前にてビラまき街頭宣伝行動をおこない、お子さまを亡くされた親御さん4人が訴えました。
翌日、「全国家族の会」総会において、すべての議案は採択され新たにスタートしました。この一年間に、東九州家族の会、神奈川家族の会、福岡家族の会、四国家族の会が結成され、同じ境遇同士が励まし合って支え合う拠点が増え全国家族の会は16カ所になりました。(各ページにて担当者が報告)

2. 【過労死防止法の到達と課題】
過労死防止法は施行され3年が経過し、防止法の第14条・附則「3年後の見直し」を迎えています。過労死防止法の4つの柱、①調査研究は、「白書」が発表され、②啓発は、全国48カ所で国主催シンポジウムの実施、学校へ過労死の出前講義も各地で実施され家族の会は社会へ長時間過重労働による警鐘を鳴らし提言を訴えてきました。③相談体制の整備、④民間団体の活動支援についても被災者の早期救済に向けた対応や遺児交流会など取り組みが進み家族の会の役割を果たしているところです。しかしながら過労死は増え続けている現状に私たちの活動だけでは限界があり、過労死防止法の大綱がめざす「過労死等をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ」を構築するには、過労死の要因への対策と関連した現行法の改善に結び付ける実効性ある内容にしていくことが今後の課題と考えます。

3. 【心をひとつにし、過労死ゼロの社会をめざして前進を!】
今国会で政府が進める「働き方改革」には懸案事項があり重要な局面を迎えます。残業時間上限の過労死ラインを合法化。労働時間規制の対象からはずす高度プロフェッショナル制度の創設と年収要件がないことで若者がターゲットにされる裁量労働制の拡大、この二つは労働者を定額で働かせ放題にし、過労死しても自己責任になりかねないとするものです。過労死根絶はまだ道半ば、実効性ある改善策が何一つとして進んでいない中、緩和することでさらに過労死は増え続けることになります。私たちの大切な家族が過労死した教訓が活かされないことに怒りが禁じえません。政府が推進する「働き方改革」は過労死防止法に逆行するもので、私たちはこの改悪の問題点に警鐘を鳴らすものです。以上のような局面を迎え、今年も、心をひとつにし、過労死ゼロの社会をめざして、あゆみを進めてまいりましょう!
(寺西 笑子)

全国過労死を考える家族の会総会 報告

日時 11月9日(木)午前9時~12時
場所 平和と労働センター全労連会館 8階第1会議室
【総会】
⑴2016年度活動報告 (2)2016年度決算報告および会計監査報告
⑶2017年度活動計画案 (4)2017年度予算案
【交流会】
今年は、例年のユースホステルの会議室が使用できず、平和と労働センター全労連会館の会議室をお借りし、総会を行いました。全国各地から39名の会員参加があり、新しい参加者も多くありました。最近は特に若い方の事案が目立って多くなっており、過労死等防止対策推進法施工後も毎年新しい過労死事件が発生し続けています。今回も長年にわたり家族の会活動に携わられた会員の参加もあり、皆で有意義な交流が行われました。 (小池江利)

厚生労働省要請の報告

2017年11月8日、9時50分に弁護士会館5階に集合して簡単な打合せ後、10時10分に移動し、10時20分より厚生労働省にて要請行動を行いました。今回は一階の会議室でしたが例年より狭く、参加者が座りきれませんでした。
まず、全国家族の会と過労死弁護団全国連絡会議からの要請書を寺西代長から厚生労働省に手渡して要請が始まり、厚生労働省の村山課長から「過労死防止法が成立してちょうど3年。11月は過労死防止月間でもあり、皆様と一体となって取組みをしていきたい。」と挨拶がありました。
全国からの個別要請は文書のみを含め19名で、大きく3つに分けて玉木弁護士の主導、解説の下で要請をしました。
・精神疾患・過労自死の労災認定基準の改善について…Mさん(北海道)、Sさん(大分)、Mさん(兵庫)、Sさん(大阪)、Mさん(大阪)、Yさん(愛知)、文書のみがKさん(大阪)、Oさん(愛知)、Sさん(愛知、兄代筆)
・過労死「脳・心臓疾患」の労災認定基準の改善について…Iさん(長野)
・各労働基準監督署等の請求に対する調査、対応等について…Tさん(香川)、Kさん(埼玉)、Kさん(東京)、Sさん(静岡)、Kさん(埼玉)、Oさん(大阪)、文書のみがKさん(大阪)、Gさん(大阪)、Tさん(島根)
今年は31才以下の過労死が6人おられました。若者を使い捨てにする社会は許せません。
「過労死等防止を考える議員連盟」から山井和則衆議院議員が参加され、「今日来られている全員の労災を認めてほしい。ご家族の言い分が、100%正しいに決まっている。立証責任は会社側にあるべき。高プロ制度などは過労死の証拠が残りにくくなる。そんな案はいけない!」と感情を込めて話されました。最後に寺西代表が「過労死が繰り返されている中で『働き方改革』が出されようとしている。突出した過労死の状況を改善してからいろんな働き方を!」と発言され要請を終えました。
発言者と文書のみ提出者の区別を明確にしたことで玉木弁護士の進行はスムーズにいきましたが、要請書に(文書要請)の明記が徹底されていなかった課題が残りました。(内野博子)

基金本部要請行動

基金本部要請行動には、基金側3人、要請者5人(うち2人代読)、松丸弁護士、平本弁護士、支援者6人で要請いたしました。
昨年に引き続き、議員連盟から泉健太衆議院議員がお忙しい中同席して下さり、被災者の訴えを聞かれ、基金本部には「被災者の迅速な救済」がきちんとなされる様に、また厚労省と比べ基金の進行の遅さや、認定基準を厚労省並みにする事などを要請して頂きました。
一昨年、昨年と10年も闘われたご遺族、被災者の方々が、最高裁、高裁で勝訴するという嬉しいニュースが続いている反面、10年も掛かり、また司法が認めてもまだなお控訴、上告する基金の姿勢にも大変な怒りを感じました。
今年は初めての要請者が3人で、大変辛い想いを訴えられました。
全体会では松丸弁護士を中心に、「今までの判例を取り込んで、控訴、上告することなく速やかに認定する事」や「教師の事案についてその特殊性を十分考慮する事」「被災者側からも懇切丁寧に調査、聞き取りをする事」などなど、次々と課題が出され、同行した被災者、支援者も疑問点を基金側担当者に投げかけました。
例年より、丁寧に対応して頂いたという印象があります。「十分わかっていますが、なかなか・・」と行政側の苦しい姿勢も示されました。また、教師の死亡事案についての認定率は少しずつ上がって来ました。
これも毎年要請行動を続けている成果と、過労死等防止対策推進法が出来たからこその成果だと思っております。
しかし認定基準の不明瞭さやハードルの高さは相変わらずで、更なる改善を求めて行かなければと思いました。
また、申請が所属長を通さないと出来ないという制度自体、見直さなくては被災者側に沿った判断は出来ないので、今後も粘りづよく訴えて行きたいと思います。(工藤祥子)

上畑鉄之丞先生を追悼して

上畑先生御逝去の報に接し、その御生涯を偲び哀悼の意を表します。上畑先生に初めてお会いしたのは2005年でした。夫を亡くしてまだ間もなく、涙を溢してばかりの私でしたが、いつも大らかな握手で歓迎してくださり、今も残る分厚い掌の温もりに温かいお人柄が偲ばれます。仕事に関連してご自身の研究活動についてお尋ねしたことがあります。その時「とても苦しかった、本当に苦しかった」そして「これからは予防だ」と静かに語られ、朗らかで明るいお人柄とのコントラストに胸打たれ、まさに血の滲むような実践の積み重ねで道なき道を切り拓いてくださったのだと深く感銘したのをよく覚えております。あらためまして上畑先生の多大なるご貢献に感謝し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
(小林康子)

各地のニュース ~シンポジウム特集~

北海道 北海道家族の会 報告

11月24日(金)(13:30~16:00)、札幌エルプラザで「過労死防止シンポジウム」が行われ約170名が参加しました。
道労働局が企業への参加を呼びかけたこと、平日ということもあり会社員の人達が多数参加していました。
北大名誉教授で精神科医の上野武治先生が「精神科医の目から見た過重労働~職場復帰・社会復帰の視点から~」と題して基調講演され、長時間労働が原因でうつ病になりその時の脳の状態がどのようになっているのか、うつ病から職場復帰への困難さ、労災認定基準「発症前の残業時間」脳・心疾患と精神障害との比較などの内容でした。
続いて、新人看護師(34歳)の息子さんをパワハラ自死で喪ったIさん、夫(30歳)を喪い民事訴訟をしながら「過労死遺児交流会」にお子さん達と参加しているIさん、過労自死で息子さん(28歳)を喪ったNさんがそれぞれの思いを話しました。
NHK北海道ニュースでは、笑福亭松枝さんが演じる「過労死落語」も放映されました。
北海道過労死を考える会 菊地悦子

東京 東京家族の会 報告

11月8日、午前中は厚労省と基金本部に要請行動を行い、午後から東京中央の過労死防止シンポジウムが行われた。
シンポジウムでは過労死防止議連から馳議員、泉議員、高橋議員の三名が代表して登壇し、その後、厚労省要請でも対応をした村山課長から過労死等の現状の説明、川人弁護士の報告と続いた。パワハラ防止の基調講演、企業の事例発表の後、家族会から5名の体験談が語られ、最後に寺西代表世話人からの挨拶で締められた。
加藤厚労大臣も「ご家族の話だけでも聞きたい」と、シンポジウムに参加していた。後日、山井議員は厚労委員会での質疑で「亡くなられたそれぞれの皆様方には心よりご冥福を祈り、ご家族の方には衷心よりお悔やみを申し上げたい」と哀悼の意を示し、「過労死をゼロにしていく」と決意を述べている。一方で、労基法改正案提出の意向も示した。「過労死をゼロにしていく」という決意に矛盾しない政治を求めたい。(木谷晋輔)

神奈川 神奈川過労死等を考える家族の会 報告

11月2日、神奈川県過労死等防止対策推進シンポジウムが、神奈川らしく横浜のシンボルタワー、ランドマークタワー25階にて開催されました。
当日は193名の参加者で会場は一杯でした。神奈川は、ほとんどが企業関係者です。
労働局からのご報告の後、過労死弁護団の笠置弁護士から「判例をもとにした企業責任」の講演、神奈川の会代表工藤より「教職員の働き方とこれからの民間の働き方について」、そして横浜労災病院の山本晴義先生より、元気いっぱい、ノンストップでの「ストレスその日解消術」、最後には被災者お二人の大変辛い経験をお伺いして、閉会しました。
神奈川は毎年全国で最初にシンポジウムを行うというポリシーもあり、12月には今年の反省と来年の準備について話し合いを持ちました。
12月23日には、第2回家族の会の交流会を、10名全員参加で、横浜の大変景色のよいビルでお食事を頂きながら行いました。
始めましての方が2名、みなさんそれぞれの経験と共に、初めての方の不安などもお伺いしたりなど、神奈川の会の皆さんの温かさをとても感じた良い時間を過ごすことが出来ました。 (工藤祥子)

山梨 山梨家族の会 報告

2017年11月12日、2か月に一回の家族の会例会が開かれ7名が参加しました。裁判の判決を控えた東京電力Aくんモラルハラスメント裁判やNTT Nさん突然死裁判などとならんで、深澤佳人小学校教諭の犬咬み裁判、それにOさん再発休業補償裁判など、7つの裁判をしている現状を反映して、大いに盛り上がりました。
なかでも新加入のRさんは、労働契約法にもとづく解雇事件で、その後、くわしい聴き取り調査をおこないました。来春、1月14日の再会を約して散会しました。(保坂忠史)

長野 長野家族の会 報告

長野シンポジウムは、11月14日(火)長野市のJAビルに於いて108名の参加者で行われました。川人弁護士の「過労死が起きる会社とは 」、服部 真 氏の「産業医から見た健康な働き方」という演題で講演があり、続いて初めて企業側からトヨタカローラ南信の経営企画・働き方変革推進室室長の田中英文氏から、職場内の変革に全社員集会を設けるなど、法令を遵守し長時間労働をなくし、100%休日を目指すための取り組みを10年ほど続けてきているとの報告がありました。会場内で息子さんの働き方を大変心配されている方ともお話しをすることができました。
Iさん裁判は11月24日最高裁で、棄却されてしまいました‼8年間も闘われてきたのに余りにも納得できない結果で残念でなりません!Iさんの遺族から「長い間ご支援有難うございました」との事です。小池の損害賠償裁判は、12月18日に長野地裁伊那支部にて行われ、伊那労基署より労災関係書類が届き今後聴取書を基に闘い方を検討していくことになりました。次回は2月6日(火)の予定です。(小池宣子)

静岡 静岡家族の会の報告

静岡では11月29日に過労死防止シンポジュウムを開催しました。講演者及び報告者について検討しましたが家族の会では報告者について3名の報告をいたしました。参加者は88名62以上の企業団体を代表して出席があり弁護士、社労士も20名以上出席がありました。役所からも多くの出席がありました。
1)Kさんは労働の中でうつ病を発病し職場を退職し健康の回復に向けて苦しい中で努力をされている事案で、うつ病になっていく過程が詳しく説明され、注意を訴えました。
2)発電所での事案では明らかにサービス残業があり記録もあるのに当時労基署はなぜその証拠を認めなかったのか、パソコンのデータなど再生できるとわかっているのにその存在を無視して判断をしたのか、労基署の姿勢を鋭く指摘したものです。サービス残業の明らかな資料なり問題点を皆さんで関心を持ち問題を、指摘してください。
3)障害者雇用の枠で入社した18歳で過労自死した事案では障害者がその特性に雇用者が十分に理解しなければならない事、障害者雇用労働の安全に警鐘を鳴らす事案です。ぜひ注目して障害者の雇用上の注意や安全対策、配慮の方法などについて文書研究をよろしくお願いいたします。
静岡では今回152カ所にパンフレットやポスターを掲示をお願いいたしましたがシンポジュウムの後感じたことは次回はもっと多くの事業所に送るべきであったと感じました。そのうえでもう少し丁寧な災害発生のメカニズムや事例のポイントを把握しての発表を考えるべきだと感じました。併せて時間が短すぎて発表が十分にできないなどの弊害や問題に対する提案や議論の時間も必要ではないかと感じました。併せて対策案の検討などの議論もするとすれば午前2時間、午後3時間ほどかける必要も感じました。(尾崎正典)

愛知 名古屋家族の会報告

名古屋家族会としては、この時期はとても活動が多い時期でした。全国ニュースや総会資料の印刷を始め、厚労省要請のとりまとめ、全国家族会会計監査、各地シンポジウム。何とか終えてホッとしています。
11月8日の統一行動は、名古屋からは4名の原稿を出させていただきました。内訳は基金の方はG市役所のIさん、厚労省の方は電力関係のYさん、文書のみで住宅関係のOさん、土木関係のSさん(兄の代筆)です。ありがとうございました。
翌9日の全国家族会総会には、会計のSさん、立会人のMさん、厚労省要請報告として内野が参加しました。
愛知のシンポジウムは11月28日に国際センターで行いました。日本福祉大の山崎喜比古教授の講演や落語、Oさんの遺族発言などとても良く、200人近く参加がありました。
11月30日は加野青果パワハラ自死の民事裁判控訴審の判決がありました。予想以上の逆転全面勝訴で、 本人過失をほぼ認めず、会社とパワハラをした上司2人に賠償を認めました。強い叱責は不法行為で、因果関係も予見可能性も認められ、長時間残業がなくてもパワハラによる心理的負荷で亡くなることを認めた判決でした。娘のAさんを21才で亡くされたご両親は大変無念ですが、この判決は納得されていて良かったです。しかし、会社の方は上告しましたので、あと少しご支援をお願いします。
最後に。T土木のSさんは右半身マヒ、言語障がいをおして10月2日に証人尋問を頑張られました。旦那さんの無念を話したくても話せない、そんな気持ちを裁判官が汲んでくれる事を期待して、4月11日の判決を迎えたいと思います。(内野博子)

京都 2017年度 京都過労死シンポジウムに参加して

京都の過労死シンポジウムは、11月17日に行われ、110名超の参加がありました。
寺西さんの講演は、私の夫が亡くなる以前の活動もたくさんあること、最近の世の中の大きい動きなど、自分の身に起きた事柄が社会と密接にかかわっているとわかりました。たくさんの同じ思いをされた方の運動や行動によって私の労災の認定が得られたことを思い、感謝の気持ちを持ちました。
過労死落語は、初めてみました。面白い発想だなと思いました。
遺族の話は、今回は子どもから見た親の過労死というもので、母親としてとても考えさせられるものでした。労災申請・裁判などで、不安定になる家族の毎日の中で成長されたことを思いました。
子どもの辛さに向き合うのはとてもとてもしんどいです。けれど、しっかりと話されるお二人の姿に勇気づけられました。残された配偶者は、亡くなった夫や妻を助けられなかった後悔と、子ども達にさみしい想いをさせた申し訳なさと共に生きていかなければなりません。
過労死をなくしてもらいたいと、年々想いは深くなっていきます。 (後宮晴世)

大阪 大阪家族の会 報告

11月2日、JR大阪駅近くのグランフロント大阪、コングレコンベンションセンターにおいて大阪での過労死等防止啓発シンポジウムが行われました。
参加者は、485名で、その中でも企業からの参加者が8割を超える参加でした。大阪労働局労働基準部長の挨拶で始まり、「大阪労働局の過労死防止の取組」報告がありました。基調講演は「過労死とハラスメント」と題し滋賀大学名誉教授・大和田敢太氏と、「過労死防止法制定から3年、取組と現状」と題し関西大学名誉教授・森岡孝二先生がご講演くださいました。その後、4人の過労死遺族から大切な家族がいかに厳しい働かされ方やハラスメントを受け過労死に至ったかについて語りました。私達のような悲しい思いをする遺族がいなくなることを強く願い、今こそ国の責任において、あらゆる面から過労死をなくす施策が求められていると訴えました。最後に松丸正弁護士の閉会挨拶により幕を閉じました。 (小池江利)

兵庫 ゆるキャラとともに過労死ゼロを!兵庫シンポジウム

11月17日、兵庫労働局・兵庫県・神戸市・県社労士会・連合・労連・労働安全センター・弁護士会等と共に6月から過労死等防止兵庫センターが中心となり取り組んできました、過労死等防止対策推進シンポ兵庫が、約300名参加で成功裏に終了しました。精神医学博士天笠崇先生の力の入った基調講演「過労自殺を防ぎ働く人の命を守ろう」、労働局の意気込みあふれる報告、西芝電機株式会社と労働組合による長時間労働削減の改善事例報告、啓発授業校で取材した大学生の声、兵庫家族会から遺族・当事者等四名の声、フォークシンガー木下徹さんの「ぼくの夢(マー君の詩)」ギター弾き語りと優しさあふれるMC、すべて貴重なプログラムでした。多くの方が目を押さえておられました。それぞれの方の心に響いたものがあったことと思います。「過労死をゼロにし健康で充実して働き続けることのできる社会へ」繋がっていくことを願っています。兵庫県はばタン、神戸市かもめん、弁護士会ヒマリオン、ゆるキャラたちと共に、取り組んできた団体皆で、県民の皆さんへ街頭宣伝しました。 (西垣迪世)

四国 四国過労死等を考える家族の会

皆さんこんにちは、四国の家族の会です。11月1日に設立し5名で活動を開始しました。
各地シンポジウム
責任者 参加者数 遺族発言 当事者発言
9
愛媛 大学教授 約60名 有(四国)
徳島 弁護士 約60名 有(四国) 有(徳島)
香川 弁護士 約60名 有(四国) 有(香川)
高知 弁護士 約30名 有(兵庫)
全体の感想としては、各地責任者の思惑で開催しており会場により温度差があった。
昼間開催ということで昨年度より参加者数が少なかった。
来年度については、計画段階より参画し、遺族発言の時間、スケジュール、発言者について積極的に関わっていければと思います。
他の活動としては、下記のような地道な活動を行っています。
徳島 係争中2案件のサポート
高知 遺族の会への参加による情宣活動
愛媛 遺族の会への参加による情宣活動 県へ団体としてのボランティア登録
NPOtel相談者養成講座受講 大学での過労死防止啓発授業 当事者相談 (久保直純)

東九州 東九州過労死を考える家族の会 報告

東九州家族会からは、宮崎県と大分県のシンポジウムについてご報告いたします。
11月17日に行われた宮崎シンポジウムでは、近年問題になっている若者の過労死を検証する企画を立て、県内の若者の労働実態を知るために、10月にプレシンポジウムを開催した上で、11月の本番に臨みました。宮崎過労死弁護団からは、「県内でも増え続ける過労死」、ワタミ過労死事件を担当された玉木一成弁護士からは、「若者を死へと追い詰めた企業とその責任」、と題してそれぞれお話していただき、大分のNさんには、SEをされていたお嬢様の死に至るまでの壮絶な労働実態と家族の苦悩をお話していただきました。
大分シンポジウムは11月25日に開催され、170名を超す参加者で会場は満員でした。
川人博弁護士による「過労死のない社会を」と題する基調講演から始まり、高橋幸美さんと、宮崎の遺族による体験談発表、大分の行政からの報告など盛り沢山の内容でした。
大分の特徴として、大分労働局が中心となって、シンポジウムが企画され、行政の関係者や企業の労務担当者に積極的に参加要請していただけることが挙げられます。本来、主催者側がこうした活動をされることこそ望ましい形であると思うので、大分モデルが全国に広まることを期待したいと思います。 (桐木弘子)

【主な活動報告】

9月29日~9月30日 過労死弁護団全国連絡会議総会
10月 2日 第72号全国家族の会ニュース発行
10月3日 文部科学省へ「中教審への要望書」提出および記者会見
10月21日 「福岡過労死等を考える家族の会」結成総会
10月26日 第9回過労死等防止対策推進協議会
11月 1日 「四国過労死等を考える家族の会」結成総会
11月8日 「全国家族の会」統一行動:要請行動・啓発シンポジウム
11月9日 「全国家族の会」総会
11月10日 労働弁護団60周年記念総会
11月15日 「過労死等防止について考える議員連盟」総会
12月 7日 日比谷公園野外音楽堂集会

【当面の活動予定】

1月20日(土) 10:30~12:30 全国家族の会世話人会
13:30~16:30 過労死防止全国センター幹事
16:30~18:00 過労死防止学会幹事会

【編集後記】

今回から前任者の工藤祥子さんの後を引きついて、全国ニュースの編集をすることになった東九州家族会の野本幸治と申します。東九州家族会は発足後1年で、家族会のことも全国ニュースのことも少しずつ勉強させてもらっている状況です。いろいろ至らないことがあるかと思いますが、今後ともよろしくお願いします。(ニュース編集担当 野本幸治)

【次回予定】

全国ニュース発行 4月(予定)
全国世話人会開催 2018年9月1日(予定)

【カンパのお願い】

家族の会は皆様からのカンパで活動しています。ご協力を宜しくお願い致します。
ゆうちょ銀行 店名 〇五八 (ゼロ ゴ ハチ) 店番 058 預金種目 普通預金 口座番号 3713219 口座名義 全国家族の会(ゼンコク カゾクノカイ)