全国過労死を考える家族の会

全国過労死を考える家族の会ニュース 第71号

【発 行】 全国過労死を考える家族の会  (2017.4.15発行)
【事務局】 東京駿河台法律事務所内  ℡ 03-3234-9143
東京都千代田区神田神保町2-3-1 岩波書店アネックス7階


過労死防止法への逆行は許せません!真の実効性ある働き方改革の実現を!

1.今国会で「働き方改革」が大きなテーマになり、早々に議員と家族の会が面談し、長時間労働の是正と予防対策について意見交換をしました。議員らは、予算委員会などの質疑で過労死遺族の意見として国会へ届けていただきました。また、労働側代表幹部とも面談をし、残業時間の上限についてなど率直な思いを訴えました。こうした中、労働弁護団、過労死弁護団、全国家族の会の共催で、以下2つの院内集会を開催しました。
2.2月10日は、「高プロ・裁量労働制の規制緩和に反対し、真に実効性のある長時間労働の規制を求める院内集会」を開催。300人席が350人以上の参加で立ち見がでました。発言者は、共催3団体、高橋幸美さんのビデオメッセージ、議員14名、森岡孝二先生、被災当事者と家族の会の遺族、労働3団体が訴えました。最後に「真に実効性ある長時間労働規制を強く求める」集会アピールを採択し、メディア報道も多く熱気ムンムンする集会でした。(遺族発言は、高知県のSさんが訴えました。)
3.3月15日は、前段に官邸前宣伝行動をし、全国ユニオン、労働弁護団、家族の会の3名が訴えました。
その後「過労死ラインの上限時間を許すな!労働時間の上限規制を問う 緊急院内集会」を開催し250名参加しました。発言者は、共催3団体、議員9名、森岡孝二先生、遺族5名、労働3団体、それぞれから過労死ラインの合法化について反対の声をあげ、「真に実効性のある労働時間の上限規制を求める緊急共同声明」を確認しました。(遺族発言は、東京、京都、大阪、兵庫、東九州、の各代表が訴えました。)
4.国会では、3月8日衆議院厚生労働委員会において川人博弁護士と寺西が招へいされ、厚生労働関係の基本施策に関する件(長時間労働是正問題等)について、15分の参考人意見陳述と与野党5人の議員から質疑を受けました。(発言順:早稲田大学副総長、川人博弁護士、リクルートワークス研究所所長、寺西笑子)発言は、過労死ラインで被災した事例をあげ、遺族の思いと過労死ライン合法への危惧、長時間労働を助長する「残業代ゼロ」案をセットに押し通そうとする政府案への反対意見を述べ、成立3年後の見直しの時期に過労死防止法に逆行していると批判しました。
5.3月28日、政府の「働き方改」実行計画が決定しました。大きな焦点になった長時間労働の是正について、大臣告示の月45時間、年360時間を原則としているものの、またしても抜け道をつくり残業時間の上限は、過労死ラインを合法化するものです。また、長時間労働が横行している建設業、自動車運転業務、研究開発、医師は、適応除外されたことで危険な職場が放置され先送りの状態で、「労基法」が改正されようとしています。
過労死防止法への逆行は許せません!過労死をなくすために真の実効性ある働き方改革の実現をもとめ、(次のページ)断固反対の意思表明をしました。
(寺西 笑子)

過労死ラインの残業上限設定および長時間労働促進法案に断固反対します

2017年3月28日
全国過労死を考える家族の会代表世話人 寺西 笑子

1 第9回「働き方改革実現会議」で残業時間の上限に関する政労使合意が示されました。それは、「月45時間、年360時間が原則」としながらも、業務の繁忙など特別の場合は、2~6か月の複数月80時間、単月100時間、年720時間、さらに休日出勤の別枠を入れると年間960時間の残業も可能という、抜け道付きの例外規定を設け、残業時間をさらに規制緩和しようとするものです。1日の規制も1週間の規制もないため、毎日5時間、10時間という残業が続いても違法ではないという恐ろしいことなります。これでは過労死する働き方にお墨付きを与えるようなものです。このような過労死の合法化は許せません。
2 そもそも時間外労働の限度に関する基準は、厚生労働省の大臣告示で月45時間、年360時間と定められています。根拠は、残業時間がこれを超えると睡眠時間が確保されなくなり、労働者の健康に支障をきたすことが証明されているからです。それなのに、月80時間から100時間、年960時間という大臣告示の倍以上の危険な働かせ方を政府はなぜ法制化するのでしょうか。これは仕事のために命を投げ出して過労死するほど働けという意味を持つものであり、過労死被災者の遺家族として断じて許せません。
3 そのうえ政府は、「高度プロフェッショナル制度の創設」と「企画業務型裁量労働制の拡大」を働き方改革にセットし押し通そうとしています。「高度プロフェッショナル制度」は、一定の年収用件を満たすと「残業代ゼロ」で労働者を無制限に働かせることができる制度であって、過労死を増加させる恐れがあります。「企画業務型裁量労働制の拡大」についても、今でさえ十分にできていない労働時間の適正な把握がますます困難になる恐れがあります。わたしたちは、長時間労働を助長するこうした労基法改定に断固反対するものです。
4 わたしたちの大切な家族は、長時間過重労働によりある日突然過労死しました。上司の命令により睡眠もとれないほど会社に尽くしてきたのに、過労死すると職場に緘口令が敷かれ、理由も教えてもらえず謝ってももらえません。遺された家族の悲しみと喪失感は計り知れず、遣りきれない思いでいます。過労死はまじめで責任感が強い人が被災する極めて理不尽なできごとです。何よりも志を半ばにして命を奪われた本人の無念は如何ばかりでしょうか。わたしたちは、過労死の悲劇を繰りかえさないために、過労死防止法を成立させました。成立後、国は「過労死ゼロ」をめざす「大綱」を打ち出しました。それなのに過労死ラインの残業が違法にならない制度を作ることは矛盾しています。わたしたちはどんな内容でも残業時間の上限が法制化されたら一歩前進とは全く思っていません。向かう方向が真逆です。過労死防止法は、これまで多くの命が犠牲になってできた法律であり、全国の過労死遺族の涙と汗の結晶です。
以上、過労死ラインの残業上限設定および長時間労働促進法案に断固反対します。

全国過労死を考える家族の会世話人会 報告

日時:   2017年1月21日(土) 10:30〜12:40 場所 中央大学駿河台記念館330会議室
出席者:玉木弁護士:事務局:寺西、工藤、吉村、渡辺(し) 、杉林 各地代表:北海道・坂田、宮城・欠席、東京・中原、長野・猪又、山梨・欠席、静岡・尾崎、名古屋・鈴木、京都・中嶌、大阪・小池、兵庫・西垣、岡山・中上、山陰・三浦、東九州・桐木(敬称略)オブザーバー:大橋さん(新潟)長縄さん(名古屋)
司会進行:寺西代表
【議題1.2.】・2016年10月〜12月の主な活動 及び2017年1月〜2月の主な活動予定報告

【議題3.協議 決議事項】
1) 今年度の11月19日・20日の「中央行動」について
・「厚労省要請」は全員統一した要請書式で提出することができ、議員連盟から山井議員、大西議員の同席をいただき今回の厚労省の対応は大きく前進しました。今後の課題として要請時の発言時間の徹底と要請者の当日参加・不参加の打ち合わせを徹底していくことを確認し合いました。
・「基金支部要請」には泉議員に同席していただきましたが、毎年要請時の部屋の狭さと基金本部の遺族や被災者に対する姿勢を改善してもらうためこれからも議員連盟の議員さんのお力添えをお願いするとともに、公務災害要請者の人数を増やすことに努めることを確認し合いました。
・「啓発シンポジウム」は中原さんより今回早めに申し込みを締め切ったが家族の会として座席は多めに確保するので受付で申し出てもらえれば入れるようにしておくので諦めないで来て欲しいとのことでした。また開催日を従来の「勤労感謝の日」の前日に戻せないかとの意見に中原さんより川人弁護士に相談してみますとのことでした。
・宿泊先の夜間の空調停止についてはフロントに伝え解消していくことに。
・総会の「参加者名簿」は現状の参加人数では必要がなく来期より作成しないことになりました。
2)事務局から・会計中間報告会費未納地域への納入依頼とカンパ 33000円。・「かいじゅうの会」実施報告
工藤さんより総会資料、全国ニュース等の編集交代申し出があり、全国ニュース編集は桐木さんより野本さん(大分)を推薦、中上さんより総会資料作成の申し出があり、鈴木さんからは名古屋は会計と監査、厚労省担当、ニュース印刷発送と集中しているので「書記」の免除をお願いしたいとの申し出がありました。
寺西さんからは全国家族の問い合わせや相談、取材等18件があり家族の会や運動体などにつなげることができたという報告と、会社経営の方からのオリジナルデザインTシャツを販売し、その利益分を家族の会に寄付したいとの申し出に対し、今世話人会で協議の結果、家族の会活動と先方の趣旨との違和感があるためお断りすることにしました。

【議題4.情勢】
1)玉木先生より: 「最近の過労死事件の状況および、働き方改革について」
昨年秋から長時間労働の規制が「働き方改革」を受けて行われてきている。関電社長が是正勧告を受けたり、東電の踏み込み捜査など、いままでからすれば画期的なことである。しかし労働法制の改革が据え置き審議として国会で先送り事項となっているが、過労死促進法としての「残業代ゼロ法案」などがこの春通るようなことがあったら、この先労働法制の改革が長期にわたりストップしてしまうのではないかと危惧する。そうならないためにも今が正念場として阻止して行かねばならない。②・残業代ゼロ法案阻止行動として 院内集会を開催する。

【議題5.各地の報告】 長 野、京都、大阪、兵庫、山陰より
【議題6.その他】  「神奈川家族の会」4月頃結成予定。 福岡と四国も準備

各地のニュース

北海道

娘は2012年12月2日に自死致しました。是正勧告も受けた病院 KKR札幌医療センターで新卒の看護師でした。残された遺書や携帯からのライン・メール・ミクシィなど、仕事で悩んでいた事がたくさん残されていました。時間外は入職した次の月には91時間でした。
労災申請の不支給の結果は、調査官から夜電話が有りました。
「時間外は100時間に到達していない、パワハラも無かったという調査結果で、『パーソナリティの問題』という結果のため不支給です。」という内容でした。必死にメモを取り、ただただ頭の中で最後の「パーソナリティの問題」という言葉がこだまをしておりました。
その後の審査請求・再審査請求も棄却という結果でした。審査請求では4名の参与のうち3名が労災にあたると「取消」という意見でしたが、その意見は反映されませんでした。そして、昨年12月15日に札幌地方裁判所に提訴致しました。この事は北海道の新聞・テレビで報道されました。そして今年2月3日に第一回口頭弁論期日で、意見陳述を致しました。80の傍聴席に100名の傍聴者の方々が来られ、結果傍聴出来なかった方々も出てしまいました。国側の反論は4月21日です。
公正裁判を求める署名は、始めて1ヶ月で3,000筆以上集まりました。2万人の署名を集めたいと考えております。
娘個人の事だけではなく、この事件の労災が認められる事で、働き方や労災の認定基準の見直しまでの変革がおきる事を切望し、私の後ろで見守ってくれているであろう娘と、支援してくださる方々と共に闘っていきたいと思っております。
(杉本千春)

東京

東京家族の会では1月14日に、土風炉・夢町小路銀座一丁目店で食事をしながらの交流会を行いました。年初めで忙しい中でしたが、10名が参加し、お話しやくじ引きなどもして、あっという間に時間が過ぎました。
また3月の交流会では、入江さんをお迎えし、犯罪被害者遺族の悲しみや苦しみと向き合い、ご自身の体験から生きる力のお話しと、入江さんが創作した絵本の朗読をしていただきました。大切な家族を失くした悲しみ苦しみは、私たちと同じです。
事件の6年後お母さま、そしてご主人さまも60歳で亡くされ、息子さんと二人の生活になったそうです。そんな中でも、前向きで精力的にご活躍されている姿は、頭が下がります。絵本も、私自身の経験したことと重なり涙が・・・参加された皆さんたちも共感し涙を流されていました。立場は違いますが、似たような苦しみを共有・共感でき、つながりがもてました。入江さんは、笑顔が素敵な方でした。
「ずっとつながってるよー こぐまのミシュカのおはなし」・「悲しみを生きる力に~ 被害者遺族からあなたへ」・ 「この悲しみの意味を知ることができるならー 世田谷事件・喪失と再生の物語」など、
出版されています。興味のある方は、一度読んでみてはいかがでしょうか。
(古川・渡辺しのぶ)

長野

小池雄志さん(31歳)さんの労災が認められました!
今年1月20日に伊那労基署より息子雄志の労災が認定されました。
認定の要因は、①過重労働(現場写真650枚の解明)②同級生や近所の方からの雄志の人となりについての陳述で「個体的要因無し」が証明されたこと③署名多数(11622筆)で認定まで取り組んだこと④電通事件等により世論が追い風になったこと④昨年11/26の長野県のシンポでの両親の訴えと松村弁護士による労災認定率が低すぎる(30%)という訴え。以上を総合して認定されたとのことでした。
この間、全国の家族会の皆様からも沢山の署名と暖かな励ましを戴きました。家族を亡くした気持ちを心から分かり
合える皆様からのお言葉にどれだけはげまされたかしれません。ご支援本当にありがとうございました。
(小池幹雄・宣子)
「猪又裁判」は最高裁に舞台を移しました。要請行動、署名活動も始まりました。交代勤務者の勤務改善のためにも、引き続きご支援宜しくお願い致します。(猪又としみ)

神奈川 (2017年5月25日結成予定)

神奈川ではちょうど2年半ほど前に、厚労省初のシンポジウムの開催の企画・計画の為に、過労死を考える家族の会から中野、工藤、過労死弁護団、他団体より約10名ほどが初会合に集まりました。
初めて顔を合わせるメンバーで、月1回ほどシンポジウムの打ち合わせを進める中で、それぞれが抱えている問題、労働による被災者の方のお話なども話し合うようになって参りました。シンポジウムの準備と共に、お互いの問題を共有し合ったり、こんなにもご遺族や被災者の方が沢山いらっしゃるんだと改めて感じたりしながら、共に協力体制を作りたいという話になっていきました。
第1回のシンポジウムを無事に終えた後、次のシンポジウムの準備と同時に、それぞれが抱えている被災者の方々の交流会もやってはどうかと話が進みました。
手探りの中、月1回の会議を終えた後、交流会を持ち、色々な方のご相談をお聞きしたり、家族の会をご紹介したりする中で、家族の会を作ってはどうかという声が自然に出て来ました。
神奈川県には政令都市が3市もあり、工業地帯や商業施設、会社、漁業、農業が盛んであり、過労死、過労自死、精神疾患の被災者も多く、またまだ声を上げられない人が沢山いらっしゃるのではないか、その為に家族の会をと、とにかくこの2年間は話し合いに話し合いを重ねてきました。
そして、この度5月25日に会を結成する運びになりました。沢山の問題もあり、結成の難しさも感じましたが、東京過労死を考える家族の会の工藤祥子を代表をとして、これからここまでに至ったみんなの気持ちを一つにして「神奈川過労死等を考える家族の会」をスタートいたします。
未熟な点も多く、色々と教えて頂きながら、全国の仲間入りをさせて頂きたいと思っておりますので、皆さまどうぞ宜しくお願い申しあげます。
(工藤祥子)

「神奈川過労死等を考える家族の会」結成記念のつどい
日時:2017年5月25日(木) 18時半~20時半
場所:開港記念会館6号室
プログラム予定*基調講演(川人博弁護士・過労死弁護団全国連絡会議幹事長)
全国過労死を考える家族の会からの挨拶(寺西笑子・全国代表、中原のり子・東京代表)
神奈川過労死等を考える家族の会からの挨拶等  主催神奈川過労死等を考える家族の会
お時間のご都合がつく方は是非お越しくださいませ

静岡

3月4日に家族の会の支部総会を開きました。参加者は6件の過労死、および過労障害の当事者の家族の人たちでした。
Ⅿ氏はガス器具工場で働いていて脳こうそくで入院、回復後会社に戻ったがその後再出血が発生し現在に至る。「労働の中で人を物扱いする従業員のなかの役職者がいて、パワハラに会い有休がとれない、体調が悪くても通院できない状態が続いた。残業はサービス残業があり100時間を超えて働いていました。タイムカードがなく自己申告で会社が正しく認める状態になかった。働く人はみんなうやむやになっている。」労基署が労災と認定しています。
Sさんは知的障害がありながら希望に燃え高校卒業後地元プレス工場で障害者雇用枠で働きだしました。しかし、子供の障害に配慮のない指導やパワハラ、難しい職場教育と工場での生産トラブルの責任に対するパワハラでプレス機械停止トラブルの後、電車に飛び込んだ過労自死事件です。障害者の雇用の推進や指導上の問題点を再考する悲惨な事件です。障害のある子供を無事に自立のための就労までこぎつけた矢先の過労自死は悲痛なものがあります。ぜひ協力をお願いいたします。
Gさん 大手製パン工場の子会社で、宮城県に転勤宮城工場の所長となり東北6県の営業も任された。多忙で各県を回りながら休みの取れない日々が続き6か月後に過労自死しました。労基署の認定では月に150時間以上の時間外労働が続いたことが確認されています。東北6県を走り回り、休みなしで働き社長からの強いプレッシャーでわずか転勤半年で自ら自死していきました。(東北家族の会)
そのほか3名の家族の会の報告がありました。
(尾崎正典)

愛知

2月12日に総会があり、代表世話人が長年務めて下さった鈴木美穂さんに代わって、私、内野に交代になりました。全国の活動については内容確認をしながら無理なく複数の世話人で協力して行う予定です。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。
名古屋は今年、いくつかの判決を迎えました。まずは1月27日、加野青果従業員パワハラ自死民事訴訟の地裁判決は12月9日から理由なく延期されて迎えました。結果は「恐怖を感じるほどのパワハラを受けていたとしながら自死との因果関係を認められない」という訳が解らないもので、金額も低くされました。原告は憤りを感じており、控訴しました。
かわって2月23日、トヨタの二次下請けであるテーエスシーで過労死されたAさんの労災認定の控訴審は逆転勝訴で確定しました。地裁で全く考慮されなかったうつ病による早朝覚醒やサービス残業を認定し「亡くなる直前の残業を月85時間としつつも、仕事のストレスによるうつ病で睡眠を十分にとれていなかったとして、健康な人の100時間以上に匹敵する」と判断しました。Bさんは積極的に取材にも応じています。
最後に家族会員ではありませんが、3月1日に高校教員の公務認定訴訟も95時間ながら労働の質も評価されて勝訴しました。(内野博子)

京都

京都家族の会の春の例会を3月26日、八幡市の石清水八幡宮にて開催しました。今回は、京都職対連の個人会員の方々も参加してくださいました。
振り返ってみると、今年の3月は、大事な活動がありました。去年秋に提訴したAさんの行政裁判に、支援する会で、敦賀から福井まで大勢で傍聴に参加していただきました。Bさんの大阪高裁控訴審の第1回期日があり、結審となりました。一人親方ですが、被災当時は労働者として働いておられました。労働者性を問う大事な裁判です。京建労の支援があります。Cさんの大阪控訴審第1回期日では、支援する会、大家族の会もご支援いただきました。
交流では、Cさんが判決へ向けて最後まで頑張ること、支援の会のDさんが地域の闘いの積み重ねがそれを支えていると話されました。個人会員からは、職業病・過労死の労災制度・裁判の困難性の解消が必要なこと、労働組合がもっと運動を起こすことの必要性などを話してくださいました。過労死家族の会に繋がったからこそ、考えていた以上の闘いができると、Dさんが話されて、それはみんなの共通の思いです。裁判勝利すること、過労死を予防することができない働き方改革を阻止するためにも、みんなで頑張っていきたいと思いました。
(中嶌清美)

大阪

コンビニ・ファミリーマート労災事件、和解成立
大阪家族の会会員Aさんの夫(62歳)は、大手コンビニ「ファミリーマート」FC加盟店で働いていましたが、2012年12月、店内で作業中脚立から転落し、急性硬膜下血腫で亡くなりました。勤務中の事故で労災認定されましたが、Aさんの夫はオーナーの指示で2店舗掛け持ちをし、亡くなる前の6か月間に月218~254時間にわたる時間外労働だったため、労災は長時間労働の過労が原因として、ファミリーマート(本部)とFCオーナーを被告とし、民事裁判を提訴しました。
当初、ファミリーマートは責任を否定しましたが、昨年末、雇用関係が直接ないFC加盟店の従業員の労災に関し責任を認める画期的な和解が成立しました。 和解条項では、ファミリーマート側が著しい長時間労働の中で死亡したことに遺憾の意を表明▽労働法規の遵守を加盟店に指導して欲しいとの遺族の要望を受け、加盟店や従業員と適切な関係を築き、信頼される企業となるよう不断の努力をすることが盛り込まれました。Aさんは「家族思いで真面目だった主人はもう帰ってきませんが、せめて犠牲者を二度と出さないようにしたいと裁判を起こしました。和解をきっかけに本部企業が加盟店の従業員の労働環境を改善するために指導、監督するようになっていただければと願っています」とコメントを出しました。
(小池江利)

兵庫

ご報告
私どもの息子は、大日本印刷に平成19年4月に入社し、ICカードのセキュリティ研究開発に取り組んでいました。平成21年4月、うつ病により社員寮で自死しました。当時27歳でした。平成22年10月品川労働基準監督署に労災申請をしましたが認められず、平成25年東京地裁に提訴しました。
平成28年、地裁は不当判決を下しました。ただし、月100時間をこえる時間外労働と暴力を含む上司から繰り返されたパワーハラスメントを認めました。「1時過ぎ帰宅、3時就寝。6時半起床、7時過ぎ出勤」(平成20年5月)、「元気にしてないよ。毎日午前様で。明日は徹夜かも」(同7月)との息子のメールから過労死を確信し、高裁へ控訴しました。しかし平成29年2月22日、高裁も不当判決を下しました。一審で認めた暴力をなかったことにして。
私どもは、かけがえのない息子をなくし、長い年月や、苦しみを必要としたのですが、裁判を通して息子の労働実態の大局を把握することが出来ました。どうしても納得しかねるので3月7日最高裁に上告受理申し立ての手続きをしました。東京はじめ全国の皆様これまでのご支援に深く感謝いたします。
(兵庫家族の会会員)

岡山

岡山過労死を考える家族の会総会及び新年会を開催
1月27日(金)炭火厨房倉敷酒家に於いて,岡山過労死を考える家族の会総会及び新年会を開催しました。今回は開催場所が岡山から倉敷に変わったこともあり,参加者が遺族2名,弁護士4名,合計6名と昨年と比べ半数の参加者となりました。この場では,岡山過労死を考える家族の会の活動報告等が行われ,会計時期の変更が決められました。その後新年会となり,少人数ではありますが,楽しく料理とお酒を楽しみました。そして,今年度から,夏にも親睦会を行うことを約束しました。
(中上裕章)

山陰

私達にとって、初めての裁判闘争開始です!
第5回山陰過労死等を考える家族の会役員会を、2017年3月7日松江市労働会館において開催いたしました。報告事項では、島根県浜田市職員自死事件の経過と昨年4月津和野町職員自死事件が発生した状況等について説明がありました。それぞれ、地方公務員災害補償基金島根県支部に対し、公務災害認定申請請求することで手続きをしているところです。
また、鳥取県倉吉市職員自死事件も起きている現状にあり、遺族側は倉吉市に対し「一億円」損害賠償請求をされるとの報告がありました。山陰両県で、中間層の地方公務員自死事件が続発している現状にショックが隠し切れない心境となっています。
私達は5人の役員(自死遺族2名・弁護士・支援者2名)体制で発足して、来月4月22日で丸一年を経過いたします。この体制で、今年も「第4回過労死等防止対策推進シンポジウム」開催を目指して11月22日を決定したところです。
そして、もう一つ大切なことを申し上げます。山陰過労死等を考える家族の会 高木栄子 代表が、岩城穣弁護士・高橋真一弁護士(山陰過労死等を考える家族の会副代表)と共に、長男の勤務先だった会社社長を相手に裁判闘争されることとなりました。山陰過労死等を考える家族の会として初めての裁判闘争になりますので、役員一同〔心を一つ〕にして島根県内の自死遺族の方々と一緒に支援行動をいたします。
全国の皆様のご指導・ご支援をお願い申し上げます。
(三浦一雄)

東九州

「東九州過労死を考える家族の会」からのご報告
「東九州過労死を考える家族の会」が、発足して4か月が過ぎました。
今年に入ってからの活動は、2月に福岡県で行われた九州労働弁護団総会への出席と、2月と3月に行われた院内集会への出席です。
九州労働弁護団の総会へは、代表と副代表の2名が出席し、九州の労働問題を勉強させていただきました。懇親会にも参加させていただき、東九州過労死を考える家族の会結成のご報告と、これからの活動へのご協力をお願いし、九州全県に家族会を結成していただくようお願いしました。
3月15日の院内集会では、3分の短い時間でしたが、「過労死ラインを超える時間外労働を合法化する法案は許さない!」という題目で、遺族の一人として訴えさせていただきました。
100時間を超える時間外労働がどれだけ過酷なものであるかを訴え、「死ぬかもしれないと解かっている時間を働かせ、それが原因で労働者が死ぬことがあれば、それは、まさに殺人だ」と、常々思っていたことを発言させてもらいました。
「夫は仕事に殺された。」「息子は、会社に殺された。」と、私達が認識していることは、間違いのない事実なのですから。
宮崎の3家族と大分の1家族で発足した「東九州過労死を考える家族の会」は、現在1家族ずつ会員が増え、さらに増える予定です。
(桐木弘子)

≪主な活動報告≫

1月10日 国会議員面談:議員会館
1月21日 第70号全国家族の会ニュース発行:事務局
1月21日 全国家族の会世話人会:東京、中央大学駿河台記念館
1月21日 過労死防止全国センター幹事会:東京、中央大学駿河台記念館
1月21日 過労死防止学会東京幹事会:東京、中央大学駿河台記念館
2月 1日 いのちと健康を守る全国センター理事会:平和と労働センター全労連会館
2月 2日 予算委員会傍聴、議員面談、集会、院内集会打ち合わせ:院内、議員会館
2月10日 長時間労働の規制を求める院内集会:衆議院議員会館
2月27日 予算委員会傍聴、議員面談、連合面談:院内、議員会館、連合会館
3月 8日 衆議院厚生労働委員会参考人質疑:院内別館
3月15日 総理大臣官邸前宣伝行動・「緊急院内集会」:官邸前、参議院議員会館
4月 1日 2役会議・過労死弁護団拡大幹事会:東京、中央大学駿河台記念館
4月 5日 いのちと健康を守る全国センター理事会:平和と労働センター全労連会館
4月11日 過労死等防止を考える超党派議員連盟勉強会:参議院議員会館
4月27日 過労死等防止対策推進協議会:厚生労働省会議室
5月20日~21日 過労死防止学会総会:専修大学神田キャンパス
7月15日~16日 夏の一泊学習交流会:京都・聖護院「御殿莊」

次回の世話人会

日時 :  2017年 9月 2日(土)  13時~16時
場所 :  東京・駿河台法律事務所
アクセス:http://www.surugadai.org/map/index.html

編集後記

お忙し中、各地から沢山の原稿を頂き、どんどん日本中に、活動の輪が
広がっていく事を感じます。とても嬉しく編集させて頂きました。
5月25日には「神奈川過労死等を考える家族の会」が新たに結成
致します。どうぞみなさま、宜しくお願い申しあげます。
(工藤祥子)